高松市議会 > 2010-03-10 >
03月10日-03号

  • "福祉"(/)
ツイート シェア
  1. 高松市議会 2010-03-10
    03月10日-03号


    取得元: 高松市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-22
    平成22年第1回( 3月)定例会          ┌────────────────┐          │     平成22年3月     │          │第1回高松市議会(定例会)会議録│          │    3月10日(水曜日)    │          └────────────────┘     午前10時2分 開議 出席議員 50名  1番 十 川 信 孝  2番 森 川 輝 男  3番 伏 見 正 範  4番 大 浦 澄 子  5番 神 内 茂 樹  6番 高 木 英 一  7番 妻 鹿 常 男  8番 三 笠 輝 彦  9番 今 井 健 二  10番 小比賀 勝 博  11番 山 下   稔  13番 佐 藤 好 邦  14番 波 多   等  15番 池 内 静 雄  16番 鎌 田 基 志  17番 藤 原 正 雄  18番 森 谷 忠 造  19番 中 村 順 一  20番 菰 渕 将 鷹  21番 新 上 隆 司  22番 西 岡 章 夫  23番 岡 下 勝 彦  24番 大 橋 光 政  25番 加 藤 博 美  26番 井 上 孝 志  27番 辻   正 雄  28番 住 谷 幸 伸  29番 白 石 義 人  30番 落 合 隆 夫  31番 香 川 洋 二  32番 二 川 浩 三  33番 中 村 伸 一  34番 山 田   勲  35番 吉 峰 幸 夫  36番 野 口   勉  37番 春 田 敬 司  38番 竹 内 俊 彦  39番 鍛冶田 智 育  40番 綾 野 敏 幸  41番 山 本 悟 史  42番 大 山 高 子  43番 亀 割 浩 三  44番 山 崎 数 則  45番 岡 野 朱里子  46番 植 田 真 紀  47番 多 田 久 幸  48番 三 好 義 光  49番 岡 田 まなみ  50番 大 塚 茂 樹  51番 藤 井 康 子  ──────────────── 欠席議員 1名  12番 綾 野 和 男  ──────────────── 議会事務局出席者  事務局長     塩 津 政 春  事務局次長総務調査課長事務取扱           伊 藤 憲 二  議事課長     大 塩 郁 夫  議事課長補佐   西 川 宏 行  議事係長     細 谷 秀 夫  書記       横 山   智  ──────────────── 説明のため会議に出席した者  市長       大 西 秀 人  副市長      岡 内 須美子  副市長      金 井   甲  水道事業管理者  稲 垣 基 通  教育長      黒 川 康 嘉  市民政策部長   岸 本 泰 三  総務部長     石 垣 佳 邦  財務部長     大 嶋 光 晴  健康福祉部長   香 西 信 行  病院部長     田 中 義 夫  環境部長     松 本 典 久  産業経済部長   冨 田   繁  都市整備部長   井 上 貴 義  消防局長     穴 田 豊 久  教育部長     松 木 健 吉  市民政策部次長  原 田 典 子  総務部次長    伊 佐 良士郎  財務部次長    城 下 正 寿  健康福祉部次長  川 西 正 信  病院部次長    篠 原 也寸志  環境部次長    合 田 彰 朝  産業経済部次長  大 熊 正 範  都市整備部次長  吉 原 正 文  消防局次長    福 田 健 之  水道局次長    小 西 利 男  教育部次長    川 田 喜 義  秘書課長     東 原 利 則  総務課長     好 井 清 隆  財政課長     鴨 井 厚 二  ──────────────── 議事日程 第3号日程第1 議案第1号から議案第51号まで 議案第1号 平成22年度高松市一般会計予算 議案第2号 平成22年度高松市国民健康保険事業特別会計予算 議案第3号 平成22年度高松市老人保健事業特別会計予算 議案第4号 平成22年度高松市後期高齢者医療事業特別会計予算 議案第5号 平成22年度高松市介護保険事業特別会計予算 議案第6号 平成22年度高松市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 議案第7号 平成22年度高松市食肉センター事業特別会計予算 議案第8号 平成22年度高松市競輪事業特別会計予算 議案第9号 平成22年度高松市中央卸売市場事業特別会計予算 議案第10号 平成22年度高松市中小企業勤労者福祉共済事業特別会計予算 議案第11号 平成22年度高松市奥の湯温泉事業特別会計予算 議案第12号 平成22年度高松市農業集落排水事業特別会計予算 議案第13号 平成22年度高松市土地区画整理換地清算事業特別会計予算 議案第14号 平成22年度高松市駐車場事業特別会計予算 議案第15号 平成22年度高松市下水道事業特別会計予算 議案第16号 平成22年度高松市病院事業会計予算 議案第17号 平成22年度高松市水道事業会計予算 議案第18号 平成22年度塩江簡易水道事業会計予算 議案第19号 高松市男木交流館条例の制定について 議案第20号 高松市地域交流会館条例の一部改正について 議案第21号 高松市墓地条例の一部改正について 議案第22号 高松市木太北部会館条例の一部改正について 議案第23号 高松市美術館および高松市塩江美術館における共通定期観覧券の発行に関する条例の制定について 議案第24号 高松市美術館条例の一部改正について 議案第25号 高松市情報公開条例の一部改正について 議案第26号 高松市個人情報保護条例の一部改正について 議案第27号 高松市長等の給料その他給与支給条例の一部改正について 議案第28号 高松市特別職の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について 議案第29号 高松市職員の勤務時間、休暇等に関する条例および職員の給与に関する条例の一部改正について 議案第30号 高松市職員退職手当支給条例の一部改正について 議案第31号 高松市用品調達基金条例の廃止について 議案第32号 高松市民防災センター条例の制定について 議案第33号 高松市消防本部および消防署設置条例の一部改正について 議案第34号 高松市児童厚生施設条例の一部改正について 議案第35号 高松市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について 議案第36号 高松市小中学校校区審議会条例の制定について 議案第37号 高松市教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部改正について 議案第38号 高松市学校給食共同調理場条例の一部改正について 議案第39号 高松市歴史資料館条例等の一部改正について 議案第40号 高松市グリーンニューディール基金条例の制定について 議案第41号 高松市手数料条例の一部改正について 議案第42号 高松市香南産地形成促進施設条例の一部改正について 議案第43号 高松広域都市計画事業太田第2土地区画整理事業施行条例の一部改正について 議案第44号 高松市下水道条例の一部改正について 議案第45号 高松市水道事業企業職員の給与の種類および基準に関する条例の一部改正について 議案第46号 公の施設の指定管理者の指定について(松島コミュニティセンター松島地区コミュニティ協議会ほか) 議案第47号 公の施設の指定管理者の指定について(木太北部会館木太地区コミュニティ協議会) 議案第48号 包括外部監査契約の締結について(監査及び監査の結果に関する報告・公認会計士 竹中浩一郎) 議案第49号 工事請負契約について(勝賀中学校中棟校舎改築工事:谷口・別枝土建特定建設工事共同企業体) 議案第50号 工事請負契約について(桜町中学校南棟校舎改築工事株式会社富田工務店) 議案第51号 和解および損害賠償の額の決定について(市立小学校で発生した事故に係る和解及び損害賠償)(質疑〈各会派代表質問〉)  ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 議案第1号から議案第51号まで  ──────────────── ○議長(大橋光政君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付してあるとおりであります。  ──────~~~~────── △日程第1 議案第1号から議案第51号まで ○議長(大橋光政君) 日程第1議案第1号から議案第51号までを一括議題といたします。 昨日に引き続き代表質問を行います。 まず、36番議員の発言を許します。36番 野口 勉君。  〔36番(野口勉君)登壇〕 ◆36番(野口勉君) 平成22年第1回定例会に臨み、私は公明党議員会を代表して、当面する重要課題について質問をいたします。市長並びに教育長の明快かつ積極的な答弁を期待いたします。 なお、昨日の代表質問と一部重複をいたしますが、御了承を賜りたいと存じます。 市長の政治姿勢についてお尋ねをいたします。 平成19年、合併後の人口42万を擁する新生高松、大西市政のかじ取りが始まって、2年10カ月が経過いたしました。この間、新総合計画、第4次・第5次行財政改革計画の策定遂行を初め、定住自立圏構想自治基本条例の制定など、進取をもととした事業展開など、高い使命感を持ち、知恵を尽くし、心を尽くし、スピード感を持って取り組まれてまいりました。 ところが、今、世界規模での金融危機と急激な経済後退に伴い、我が国の実体経済への影響も顕著にあらわれ、まさに我が国、そして高松は、今、大きな経済危機に直面をいたしております。私は、この危機を乗り越えることが、今、本市に与えられた最大の課題であると考えております。今こそ、全力を挙げて、市民生活と市内産業を襲う、この大きな危機に立ち向かっていくときであります。 危機による苦しみは、一部の産業や市民にとどまらず、ほぼ、すべての分野に及ぶものであります。また、その態様は一様ではありません。製造業・建設業・商業・サービス業から農水産業に至る分野、そして市民生活を対象に、それぞれに適した支援策を講じる必要があると考えております。また、対策も、即効性のある短期・緊急的なものと同時に、中期的な振興策、そして、長期的な取り組みまで複合的に進めていく必要があります。 こうした厳しい状況にあるまちは、言うまでもなく、高松だけではありません。日本じゅうのまち、世界じゅうのまちが苦しんでいます。私には、この状況が、マラソンでいえば、30キロ過ぎの上り坂のように思います。すべてのランナーにとって最も苦しいとき、そして、迎える上り坂、これは大ピンチに見えますが、勝つ気力と実力を持つランナーにとっては、勝負を決める、まさに大チャンスとなります。 私たち高松は、勝つ気力と実力を持つランナーでなければなりません。苦しい今こそ正念場、勝負の別れ道であります。うつむくことなく、しっかりと前を向き、坂の上の雲を見上げて、力強く進んでまいりたいと思います。 厳しい経済状況・財政状況の中、本市総合計画に基づく、まちづくりの重点施策に、選択と集中に徹しながら、瀬戸内国際芸術祭の開催、新病院の整備、ふえ続ける国民健康保険介護保険事業への的確な対応など、さまざまな市政への重要課題が山積しており、今後とも、的確・迅速に取り組んでいかなければなりません。 今期、最終年を迎えるに当たり、市政運営の総括と今後の決意について、市長の御所見をお伺いいたします。また、現下の厳しい経済状況の認識と市民生活を守る市政推進について、御所見をお伺いいたします。 次に、第2期まちづくり戦略計画についてお尋ねをいたします。 本市総合計画に基づく第1期まちづくり戦略計画実施状況が示されました。本市が目指す都市像「文化の風かおり 光かがやく 瀬戸の都・高松」を実現すべく、3,800人の職員と市民の御協力をいただきながら、つくり上げた2年間の成果であります。第2期3年間がスタートしますが、基本構想に基づく政策を計画的・効果的に実施し、時代の潮流や市民ニーズに対応した実効性の高い計画となるよう、2年ごとの見直しを行うローリング方式をとっております。 かねてより、その導入を求めてまいりました本市事業仕分けが、昨年10月実施されました。今後、継続していくことで成熟度を高めなければなりませんし、事業仕分けの考え方を、日常の事務事業の見直しに生かすことも重要であります。第1期から第2期に移行するに当たり、第1期まちづくり戦略計画遂行の評価と第2期計画への改善、事業仕分けの考え方を、どのように生かしていくのか、お伺いをいたします。 瀬戸内国際芸術祭、市制施行120周年記念事業、瀬戸・高松広域定住自立圏事業など、本市にとっては大きな節目となる第2期初年度となります。全庁的プロジェクトの取り組みとともに、市民との協働をもって、いずれの事業も成功させなければなりません。ところが、瀬戸内国際芸術祭は、本市がハブポートとして、役割の多くを担うはずが、余り情報が入ってこない状態が続いております。瀬戸内国際芸術祭の情報発信、市民との協働、今後のスケジュールについて明らかにしていただきたいと存じます。 次に、平成22年度予算案と財政問題についてお尋ねをいたします。 平成22年度予算案、一般会計歳入面では、一般財源ベースで、一昨年来の景気後退に伴い、市税収入が、前年度の大幅な落ち込みから、さらに、当初対比で約27億円の減少となったものの、地方交付税・臨時財政対策債の追加などで約27億円の増、歳出面では、公債費の減少があるものの、扶助費や国民健康保険事業特別会計への繰出金などで、一般財源所要額が19億円の増、差し引き一般財源不足8.2億円を、財政調整基金建設事業基金の取り崩しで収支の均衡を図っております。 この結果、一般会計予算は、22年度の特別な増加要因である子ども手当の支給に伴う増加分も含め約50億円の増となり、過去最大の規模でありました昨年度予算を、さらに上回る予算となっております。財政指標やプライマリーバランスの好転など、健全化への努力の跡が見られるものの、平成23年度以降に予定される南部運動施設屋島陸上競技場・学校改修など、大型事業への対応に備えるには、建設事業基金の脆弱さが気にかかるところでございます。 私は、前々から申しておりますように、徹底した税収増を図り、あらゆる手だてを講じて経常収支比率を下げること、中でも、公債費の軽減化こそ健全財政への道筋であり、行政需要への対応度、このたびのような経済危機への対応度を高めることにつながるものと思っております。 少子化の進行に伴う人口構造の変化は著しく、世代間の費用負担の不均衡が懸念されている今、プライマリーバランスの黒字堅持や実質公債費比率の抑制を、さらに好転させ、将来負担比率を下げる必要があります。平成22年度予算編成の留意点と今後の財政運営について、御所見をお伺いいたします。 「入るを量りて出ずるを為す」と申しますが、その入るをはかる知恵と工夫が大事であります。現在、封筒や「もっと高松」への広告、ふるさと高松応援寄附金制度などを進めているものの、まだまだ些少であります。歳入確保のために、職員が市役所を経営するという概念を強く持てば、そこに知恵が生まれ、工夫が生じるものと思います。市有未利用財産は、有効活用されていないこと自体が無駄という意識の徹底、売れるものは売る、売れなければ売れる方法を考え、また貸し付ける、全庁的にネーミングライツを重点的に推進する、固定資産税課税客体の的確化を図る、全庁的に英知を結集して新規財源の捕捉を推進するなど、現場を担う職員の発想力に期待をいたします。 そこで、一つ提案をいたしますが、宮城県では、職員が業務用に使用する電子メールへの広告掲載システムを導入して、広告料収入を得ようと試みております。新規財源確保に向けた職員発想力と電子メール広告掲載システムについて、お考えをお示しください。 次に、第5次高松市行財政改革計画についてお尋ねをいたします。 初めに、第4次計画では、改革目標を設定し、財政健全化を戦略的に進めることで、計画期間内に見込まれていた一般会計財源不足額の約半分に相当する70億円の削減を目標としました。さらに、部局進行管理制の導入、これは、従来の管理型運営から経営型運営、つまり、各部が主体となって取り組む目的志向・成果重視の自立経営方式への転換と私は受けとめておりますが、であるならば、新たな行政経営の視点による理念を要するのではないかとも思います。 また、市長を本部長とした高松市行財政改革推進本部に加え、行財政改革推進総括者・同責任者・同推進員を設置しての取り組みとなりました。戦略的に進めた、その結果として、四つの財政指標の改善は、どのように図られたのでありましょうか。まず、第4次計画期間中の最終効果額見込みと評価、自立経営方式への転換についてお伺いをいたします。 国の危機的な財政状況や少子高齢化、企業の国際的な競争の激化など、本市を取り巻く環境は、今後、ますます厳しくなるものと考えております。このため、本市は、新たな総合計画に掲げている、さまざまな施策・事業を確実に実施していくためには、市税収納率や債権回収率の向上を初め、事務事業の再編・効率化、職員数の適正化、施設の効率的な運営、利用率の向上と受益者負担の適正化及び外部委託等、民間活力の積極的な導入など、思い切った改革を行い、さらに、市民の満足度を高めつつ、より質の高いサービスを適正なコストで提供していく必要があります。 さて、第5次計画では、時代の変遷と変わり目からか、目標効果額が42億円、しかも、その中身においては、職員数の適正化による額が22億円を占めています。これまでの第1次は別に、第2次計画の実績では123億円、第3次計画の実績では155億円と大きく節減につながり、そして第4次、70億円からして目標効果額が最少となっており、計画期間中に見込まれる一般会計財源不足額を大きく下回っております。 今後は、さらに、よりきめ細かく、事務事業評価の精度を上げること、政策評価・外部評価、また、事業仕分けの適格化、すなわち、事務事業のあり方について、そもそも、市の関与の必要性や妥当性があるのか、市が実施主体になる必要があるのかといった評価を優先し、見直しなどの検討の方向性を明確にして、積極的な民間活力導入へ大なたを振るう必要があるのではないかと思います。 また、職員数の適正化についても、市民に理解していただける一定の基準を示すべきではないかと思います。民間活力導入への重点化について、職員数適正化の考え方について、それぞれお伺いをいたします。 そして、本市行財政改革推進の上で、重要になってくるのが、その推進によって、市民の満足度を高め、質の高いサービスを提供できるか否かにあります。市民の目線からいって、高松市の行財政改革が進んだおかげで、これだけサービスが図られた、こんなに迅速・利便性が図られたといった実感を得られることが大事であります。市民サービスに力点を置いた本市行財政改革の推進について、お考えをお示しください。 行政改革を進めるに、第一義的には、行政の仕事の非効率性や無駄な事業を徹底的に見直すことでコストの削減を図るとともに、効果的な行政を実現することであります。言いかえれば、行政のスリム化を図ることにより、官から民への流れを推し進めることになります。 しかしながら、幾ら効果的な行政を目指そうとも、行政のスリム化だけを目的とする改革には限界があります。単に、サービスを切り捨てるだけになっては、本市の持続的な発展は望むべきもありません。 また、効果的な行政を実現するためには、市民の多様なニーズの中から、何を選択すればよいのか、どのようなサービスを提供すればよいのかということについて、市民自身が合意できる仕組みが必要であります。これまでは、公的領域は行政が担うものと考えられ、公共的な役割を行政が独占してきました。市民の多くが貧しく、物的なサービスを市民だれにも等しく平等に提供することが重要視された時代には、行政主導で公的領域のニーズを満たすことは、それなりの意義があったと言えます。 しかしながら、我が国は、物的には豊かになり、経済が停滞している今、市民のニーズは多様化し、それに伴い、新たな地域課題が山積しています。これらを、すべて行政が担うことは、財政面から限界があるだけでなく、地域課題に対する有効な解決策とはなり得ないと思います。 地域の課題解決のためには、行政任せではなく、市民みずからが主体的にかかわっていくことが重要です。それは、個人の発意を尊重し、生きがい・やりがいに満ちた社会の創造を目指す必要があります。そうした社会の創造には、自主的に取り組む地域活動や社会活動を促したり、市の政策過程を透明化したり、情報公開を徹底したりする中で、個人の善意にゆだねるだけでなく、行政と住民との関係を規定する新たなシステムを要するのではないかと思います。市長のお考えをお示しください。 次に、深刻な介護問題についてであります。 公明党は、昨年11月から12月にかけて、全国3,000人の議員が一丸となって、全47都道府県で介護総点検を一斉に展開し、10万件を超える介護現場の声を集約いたしました。 介護保険制度の施行から10年を迎え、随所で制度疲労を起こしており、介護現場には難問が山積しております。何年待っても入れない特養ホームの待機者問題、核家族化で、高齢の妻が高齢の夫を悪戦苦闘しながら介護している実態、結婚前の娘さんが、先行きの見えない両親の介護に踏ん張っている実態。総点検で明らかになったことは、介護施設が圧倒的に足りない、在宅介護の不安を解消できていない、介護現場で働く人に夢と希望を与えられていないということであります。 だれもが一生のうちで経験する介護、たとえ高齢者になっても、安心して暮らせる社会の構築に向けて、抜本的な介護基盤の整備に、どう取り組むのかが問われております。今まさに、政治が何を決断し、そして、何を実行していくのかという重要なこのとき、私どもは本当に困っている方々のそばに寄り添い、福祉を守り、環境を守り、そして、何より国民生活を守るために動き、働いていかなければなりません。 介護保険法に基づく制度で、地方自治体の裁量権の狭いことを認識しながら、悲痛な現場の声をもとにお尋ねをいたします。 調査結果から、まず、介護施設は圧倒的に不足しており、何年待っても介護施設に入れないとの声が多い。2009年12月の厚生労働省の集計によりますと、施設待機者は、特養の場合、42万人を超えております。そのうち、優先入所が必要とされる要介護4から5は約17万9,000人42.4%で、自宅待機者は約6万7,000人に及んでおり、本市においても、同様の調査結果が出ております。 こうした深刻な実態を踏まえ、特別養護老人ホーム老人保健施設介護療養型医療施設の介護3施設、さらに、有料老人ホームやケアハウスなどの特定施設やグループホームの整備拡充を図るなど、本市優先入所が必要とされる要介護4から5の人たちの緊急的措置を要しますが、御所見をお伺いいたします。 高齢者が介護を受けている場所の7割強が自宅、潜在的には、病院や介護施設よりも、住みなれた我が家で介護を受け続けたいと願う高齢者が多い。しかし、介護する家族側が限界に達し、高齢者虐待や介護うつ・老老介護も深刻であります。家族が休息をとれるように、ショートステイやデイサービス、病院で短期間預かるなどのレスパイト事業の大幅な拡大と、訪問介護サービスを24時間365日利用できる在宅支援の強化が求められています。お考えをお示しください。 また、介護事業者調査では、従業員の平均勤務年数3年以下の事業所が3割もあること。従事者への調査でも、7割が仕事を続けたいとしながら、離職率が高い理由については、心身の負担が大きい、収入が低いが、ともに約8割にも上りました。 私自身も、現場を幾つも視察し、体力的にも精神的にもくたくた、月14万円の給料では生活できない、結婚が決まると、男性でも寿退社し、転職していくなど、切実な声を聞きました。処遇改善交付金制度の拡充・恒久化など、介護職員の大幅な給与アップを要するのではないか。介護従事員の待遇実態の認識と待遇改善について、お考えをお聞かせください。 平成12年、本市の介護保険制度、65歳以上の被保険者数は約6万人、利用者数約5,000人、利用給付費約7億8,000万円、保険料基準額3万9,200円、平成20年度では、被保険者数が9万2,000人、利用者数1万5,000人、利用給付費約20億円、保険料基準額4万7,400円と大きな伸びを示しています。さらに、平成26年には、65歳以上の被保険者数が10万3,000人を超えると言われております。 現在、財源構成は、第1号・2号被保険者保険料が50%、残りを、国25%、県12.5%、市12.5%であります。このたびの総点検でも、保険料・利用料が高過ぎるという意見が圧倒的に多いことなど、先ほど申しました施設待機者の多さ、介護従事員の処遇の問題、さらには、サービス充実が保険料負担に大きく影響する現行制度の問題点を総点検調査の中で実感をいたしました。制度維持を最優先に考えるとき、抜本的な介護保険財源構成の改革が必要ではないかと考えます。市長の御所見をお伺いいたします。 あわせて、現行制度のままに推移した場合、75歳以上人口のピークが始まるとされる平成35年の被保険者数・利用者数・利用給付費・保険料基準額の予測をお示しください。 現在、要介護・要支援認定者1万8,673人、保険利用者1万5,597人、その差3,076人の方は、認定は受けたがサービスは必要としない人。また、一部に見られるサービス利用の9割が、自分とは違う他の被保険者の負担で成り立っているという意識の欠如。介護事務や認定過程の煩雑を簡素化することなど、保険者として、事業の適正化に取り組まなければならない課題も多かろうと思います。介護サービスを必要としているところに必要なサービスを提供するのは、保険の基盤となるものであります。事業の適正化についてのお考えをお示しください。 老人保健福祉計画に基づき、介護サービスの必要量を把握しながら、多くの待機者が生じているなど、今回の総点検では、我々は、計画と現場の格差の厳しさを、今さらながら身をもって感じました。だれもが健康で生きがいのある老後を過ごしたいと念じながらも、思いもかけず介護を受ける身となった無念さを語る方もいました。ここでも、介護予防事業の重要性を物語っております。増大し続ける介護給付費の抑制、老後の健康で生きがいある生活を維持するために、介護予防事業を特段に充実する考えについて、お考えをお聞かせください。 次に、高松水環境会議の提言についてお尋ねをいたします。 持続可能な水環境構築に向けて検討してきた高松水環境会議の提言が出されました。長い歴史の中、水ブニや線香水など独特の水利慣行を持つ本市において、平成6年の大渇水以降、高松市水問題対策に関する基本指針、高松市水循環健全化計画などに基づき、自己水源の確保や水資源の有効利用などに取り組んでまいりましたが、このたびの提言は、それらを集大成するとともに、これまで踏み込めなかった部分にまで言及し、水を中心軸に総合的・一体的に、しかも、幅広く取り組む重要性を示した貴重な提言であると思います。 初めに、高松水環境会議の提言を受けての所感と生かしていく優先順位について、市長の御所見をお伺いいたします。 古くから、水の確保が、先人たちの暮らしの中の一大関心事であった本市にとって、水は公共の財産であるとの認識の共有は、最重要の課題であります。しかも、それは、本市はもとより、市民も事業者も、本市にかかわる、すべての人たちが意を一つにして、高松市の水の生産・消費・再生・処理に至るまで一大関心事とすべきで、提言された持続可能な水環境に関する条例の制定は、最優先課題だと思います。水環境条例制定への基本方針と市民との協働の仕組みづくりについて、お考えをお聞かせください。 これまで、公明党議員会では、水利慣行や河川法などから、ハードルは高いことを承知の上で、農業用水などを水道用水に有効活用できる仕組みづくりを、機会あるごとに求めてまいりました。このたびの提言では、「農業用水、水道用水、工業用水など、各用水の水利用実態をお互いに知ることが大事であり、相互理解の下で各用水間の水融通に関し、負担の問題も含めたルールを利水者間で取り決め、新たな水利ネットワークをつくっていくことが必要」と、重点取り組み事項にうたっております。 これまで、水利用を規定する法制度に基づいて、それぞれの用途に特化されたため、水の有効利用の観点においては、非効率的であったと言わざるを得ません。水利ネットワークの構築について、市長の御所見をお伺いいたします。 高松藩記の「川浅く水乏しく、常水の川一つもこれなく」の記述を、今こそ回天のときと思います。 次に、市立3病院についてお尋ねをいたします。 今、全国の自治体病院は、深刻化する医師不足と赤字経営によって、その存立基盤は激しく揺さぶられ、一方、医療の質と透明性、そして効率性という時代の要請は、自治体病院や、そこで働く職員に、意識の覚醒と行動の変革を迫っております。今年度の決算見込みが、3病院で8億8,300万円の赤字となり、累積赤字の総額は約42億6,500万円に上る見通しとなりました。中でも、市民病院は、当初計画を2億1,800万円上回る6億4,100万円。その要因は、近隣病院との競合や、内科・外科などで退職医師の補充ができず、経営評価委員会資料では、今年度の年間延べ患者数が、入院が対前年比9.8%減、外来が4.1%減を挙げています。まさに、新病院整備を前に、早くも来たか危機的状況が、の感を強くしております。 「皇国ノ興廃コノ一戦ニアリ、各員一層奮励努力セヨ」、当時、世界最強とされたバルチック艦隊を迎撃するに当たって、東郷平八郎連合艦隊司令長官は、参謀 秋山真之草案の檄を全艦に発し、日本海海戦を勝利に導いたとされております。 今、病院を取り巻く環境は、診療報酬のたび重なる引き下げや患者自己負担の引き上げ、市民の医療に対する意識の多様化など極めて厳しく、また、臨床研修制度の義務化に伴い、地方病院での医師不足が拍車をかけております。 さらに、市民病院の移転が明らかになった本市においては、今後も、一層の患者離れが懸念されております。まさに、本市市民病院の新病院整備までの今後5年間は、「皇国ノ興廃コノ一戦」に当たり、正念場を迎えるものであり、医師を先頭に、看護師・医療技術・事務・調理係などが一致団結し、一層、奮励努力が求められるものであると思います。 私は、かねてより、病院スタッフは、みずからが病院を経営するという意識の改革を求めてまいりました。市長は、これまでの答弁で、院内運営委員会などを通じて、極めて深刻な経営状況についての共通認識を持ち、全職員が危機意識を共有するとともに、患者サービスの向上やコスト意識の徹底など、早急な経営改善に向け、3病院が一体となって、積極的に職員の意識改革に取り組んでまいりたいなどといたしておりました。 ところが、高松市病院事業経営改革計画の取り組み状況に関する評価は、市長の思いが現場に生かされていないことを残念に思います。これは、意識の低さにあるのか、仕事に対する自信のなさにあるのか、はたまた、多忙を極める現場を支えるべき事務方との連携のなさなのか、判別しかねております。 本来、市立病院は、知識労働者としての医療職や事務職から構成される知的創造組織であり、そこから、彼らが所有する専門的な知識や技術という知的財産を駆使し、診断・治療・看護・管理という知的作業が、ごく当たり前に行われているものですが、病院運営における基本的な問題として、一つ、病院理念が理解されていない。二つ、明確で具体的な達成可能な組織目標がない。三つ、品質管理システムがない。四つ、組織としての一体感がない。五つ、責任転嫁で自己責任がないなどを指摘する関係者もおります。 そこでお尋ねをいたします。 1点目に、意識の覚醒と行動の変革についてと、病院運営における基本的問題点について。 2点目に、病院事業経営改革計画の取り組み状況に対する御所見。 3点目に、市立3病院の経営改善策について、市長の御所見をお伺いいたします。 市立3病院の深刻化する医師不足は、診療科目の休止あるいは縮小に追い込まれております。このように社会問題化した医療崩壊に対して、本市では、さまざまな角度から、さまざまな対策を講じてきましたが、現在の閉塞状況を打ち破るには至っておりません。つまり、医師不足は、もはや一医療機関や一自治体で解決できるものではなく、国・地域の病院・大学・医師会・県・市町村、そして住民が一体となって取り組んでいく課題であると思います。 医師不足から、現場では、通常勤務に加え、月3回から4回の宿日直をなすなど、過重労働で疲弊し切っている医師への特段の支援は急を要します。医師確保策と医師の勤務環境、待遇改善について、御所見をお伺いいたします。 このたびの収支の赤字の主な要因は、医師不足をベースに医業収入の減、すなわち、入院患者数・外来患者数の減少にあります。そこで、高松市病院事業経営改革計画並びに第5次行財政改革計画においては、医師の確保、診療収入の増加、患者数の増加等を図ることにより、経常収益を約3億円上げ、経常費用を2億7,000万円下げ、目標効果額を5億7,900万円としています。さらに、職員給与費対医業収益比率目標54%、また、医療職独自の給料表適用、退職給与金の特例制度の導入などを図り、平成24年度以降の、できる限り早い時期に、経常収支の黒字化を目指すとしております。経常収支改善の具体策とスケジュールについて、お考えをお聞かせください。 経営形態については、平成23年4月までの間に、地方公営企業法の全部適用を目指すこととしております。しかし、地方公営企業法の全部適用への経営形態の変更が、経営改善に結びついていない事例が多く見られます。事業管理者についても、病院事業に精通し、強いリーダーシップが発揮できる人材を得たいとしておりますが、地方公営企業法全部適用への移行と事業管理者選任の要件・スケジュールについてお示しください。 最後に、ペスタロッチの言葉、「すべては患者さんのために」と申し上げておきます。 次に、宇高航路の存続についてお尋ねをいたします。 全く予期せぬことで驚いております。2月12日、四国フェリーと国道フェリーが、宇高航路の廃止届を四国運輸局に提出し、いずれも、3月26日の運航を最後に撤退するとの発表をいたしました。その後、大西市長・真鍋県知事等の岡山側との連携した国への存続要望、地元経済界などからの要望、四国運輸局や関係自治体で構成する宇野高松間地域交通連絡協議会の開催などを経る中、国道フェリーが航路廃止届を取り下げ、6月ごろまで運航を続け、また、四国フェリーにおいても、存続に向け、精いっぱい努力しているとの報道がありました。 先日、連絡協議会の第2回会合が開かれました。国と自治体が、航路存続を検討するための社会実験の必要性では合意したものの、自治体を主体に、国の補助金を活用させたい国側と、高速道路無料化実験の一環として、国に全額負担させたい自治体側、いわゆる実施主体と財源をめぐって見解が分かれました。 国が示す補助制度──地域公共交通活性化・再生総合事業は、実証運航に要する経費の半額を国が補助し、3年間の期限つき、しかも、この事業は、そもそも、地域の創意工夫で自立的な取り組みを促進する事業であって、これまでの国策もそうだが、今年6月にも、瀬戸大橋などの新料金設定が国策で行われようとしている今、我々自治体が創意工夫、自主的取り組みができる範疇を超えた問題であって、宇高航路存続問題解決のための制度としてはなじまないものと思います。 宇高航路の廃止は、地域住民の生活や物流・観光に重大な影響を与え、さらに、緊急時の補完機能まで失い、住民や地域経済、本市が受ける影響は、はかり知れないものがあるところから、本議会におきまして、開会初日をもって宇高航路の存続を求める意見書を全会一致で採択をいたしました。 今後も紆余曲折はあろうかと思いますが、宇高航路存続に向けた市長の御所見をお伺いいたします。 次に、教育センター(仮称)整備についてお尋ねをいたします。 教職員の資質の向上や教育の情報化の推進、学校内外における教育相談の充実などを図るため、今年度末をもって閉校する新塩屋町小学校跡施設を利用して、手狭となってきた適応指導教室を併設した教育センター(仮称)整備費1億4,000万円が上程されております。 本市教育研究所は、本市の教育に関する調査研究、教材の作成・提供など、殊に、平成13年度からは、県費負担教職員の研修業務も行われるようになり、所外の施設・設備を貸借するといった大きな制限の中で進められてきたことを思うと、本市教育の中核的機能を有する拠点施設として、将来を見越した先進的かつ実証的な調査研究が大きく推進されるものと期待をいたしております。 そこで、同センターの役割が教員研修を大きく担っているものですから、研修室が6室予定されております。ところが、この教員研修が利用される日数は、年間を通し何日ありましょうか、多くは、夏休み期間中等に集中するものと思います。市有財産の有効利用といった面からして、あいた部分については、市民や企業の研修等に門戸を開いて使っていただいていいのではないかと思います。 教育センター(仮称)整備の決意と研修室の有効利用について、教育長のお考えをお聞かせください。 以上で代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(大橋光政君) ただいまの36番議員の代表質問に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 36番野口議員の代表質問にお答え申し上げます。 まず、政治姿勢のうち、市政運営の総括についてであります。 私が高松市長に就任し、市政をお預かりすることになって、早いもので、ことし5月には、任期最後の4年目を迎えることとなります。この間、本市のまちづくりの基本方針となる第5次高松市総合計画を、平成20年4月からスタートさせたところでございますが、この総合計画に掲げた施策の評価につきまして、昨年1月の市民満足度調査では、施策全体の満足度が、前年の調査よりも高まっておりましたことなどから、市政運営全般について、市民の皆様方からも、ある程度、評価をいただけているものと受けとめております。 また、就任1年目・2年目それぞれ終了時の節目には、私のマニフェストの内部評価を行っておりますけれども、すべての項目につきまして着手できておりますほか、ほとんどの項目で、順調に成果が上がっているとの結果となっておりますことから、私といたしましても、これまでの市政運営につきまして、十分な手ごたえを感じているところでございます。 次に、今後の決意についてであります。 本格的な地方分権時代の到来により、我々地方自治体には、みずからの責任と判断で、地域特性を生かした主体的なまちづくりを進め、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現していくことが強く求められております。加えて、ことしは、国において、地域主権改革が新たな展開を迎えようとする年であり、本市では、自治基本条例に基づく新たなまちづくりをスタートさせる年でもございます。 私といたしましては、本市の将来をしっかりと見据え、目指すべき都市像「文化の風かおり光かがやく 瀬戸の都・高松」の実現に向け、新たに策定をいたしました第2期まちづくり戦略計画に基づき、今後とも、総合計画に掲げたまちづくりの目標を確実に達成すべく、各種施策・事業に全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 次に、経済状況の認識についてでございます。 一昨年秋からの世界的な景気後退の影響を受け、我が国の経済は悪化を続けてまいりましたが、昨年後半からは、国の経済対策などの効果もあり、生産や輸出が回復し、景気は、やや持ち直してきておりますものの、雇用や所得に対する不安は、いまだ解消されず、依然、厳しい状況にあるものと存じております。 本市におきましても、昨年の倒産件数が72件と、一昨年の45件に比べ大きく増加しており、有効求人倍率も、昨年8月は0.60倍と、統計をとり始めて以来、最低を記録し、本年1月でも0.62倍と低水準を続け、いまだ回復の兆しは見られない状況でございます。 また、本市の中核企業である穴吹工務店の経営破綻や宇高航路の存続問題などによる今後の影響も懸念されますことから、本市の経済状況につきましては、いまだ非常に厳しい状況にあるものと認識をいたしております。 また、市民生活を守る市政推進についてであります。 本市における新年度の予算編成におきましては、これまでも、重点的に措置してまいりました環境・コミュニティー・教育に加え、子供・芸術文化・健康の分野における施策につきましても重点化を図るなど、一段落した学校整備などの普通建設事業費が減少する一方で、福祉・文化の充実にも意を用いてきたところでございます。 私といたしましては、まちづくりの主人公は、言うまでもなく、市民一人一人の皆様方でございまして、市民生活を守る市政を推進することは、市民の信託を受け、市政をお預かりしている者としての当然の責務であると存じております。 このため、市長就任以来、地域の実情に即して、経済情勢の変化や、さまざまな住民ニーズに応じた市民本位の市政を念頭に、本市の将来を見据えたまちづくりに邁進してまいったところでございます。 雇用環境の悪化など大変厳しい経済社会情勢を踏まえ、今後におきましても、すべての市民が、暮らすことに誇りの持てるまちの実現に向け、市民の皆様の生活を守ることに配慮しながら、参画と協働による市民主体のまちづくりを推進してまいりたいと存じます。 次に、第1期まちづくり戦略計画の評価でございます。 まちづくり戦略計画の策定に当たりましては、事業の達成度や成果についての評価をもとに見直しを行う、PDCAマネジメントサイクルに沿った進行管理を行うことといたしております。このため、第2期計画の策定に合わせ、第1期計画における重点取組事業の実施状況や基本事業の目標値の進捗状況を取りまとめ、市民にわかりやすい形で、このたび公表したところでございます。 このうち、重点取組事業につきましては、内部評価ではございますが、124事業のうち、9割を超える112事業について、おおむね順調または完了となっているものでございます。また、基本事業の目標値につきましては、194項目のうち、4割を超える81項目が本年度中に達成見込みでありますことから、来年度を終期としている第1期計画は、ほぼ計画どおり進められているものと存じております。 また、第2期計画への改善についてであります。 第2期計画の策定に当たりましては、昨年度実施いたしました市民満足度調査の結果や、第1期計画における実施状況等を踏まえ、施策・事業の重点化や見直しを図ったところでございます。具体的には、新政権の動向はもとより、昨今の厳しい社会情勢や市民ニーズの変化にも留意しながら、向こう3年間における施策・事業を重点取組事業として取りまとめるとともに、全庁的プロジェクトとして推進する市制120周年記念事業、瀬戸内国際芸術祭関連事業及び瀬戸・高松広域定住自立圏関連事業について、一括してお示ししたところでございます。 また、事業仕分けの考え方を、どのように生かしていくのかについてであります。 昨年10月、業務の総点検の一環として、本市において実施した事業仕分けは、事業の意義を根本から見直す絶好の機会になったものと存じております。第2期計画に位置づけられた施策・事業の推進に当たりましても、この事業仕分けの考え方を取り入れながら、実施内容の、さらなる精査や財源の確保、経費縮減など、常に創意工夫を行い、より積極的な事業改善を図ってまいりたいと存じております。 次に、瀬戸内国際芸術祭の情報発信についてであります。 本市では、ホームページのトップページに芸術祭のバナーを設け、効果的な情報発信を行っておりますほか、「広報たかまつ」では、会場となる島ごとに芸術祭の紹介記事を連載するなど、随時、芸術祭関連の情報を掲載をいたしております。 また、文化関係団体など各種団体の会合の機会をとらえて、芸術祭の概要説明や協力の呼びかけを行っているところでございます。 今後とも、実行委員会と連携を図り、芸術祭関連情報を、わかりやすくタイムリーに提供しますとともに、ケーブルテレビなど映像による情報発信も取り入れ、芸術祭への関心を、より一層、高めてまいりたいと存じます。 また、市民との協働についてであります。 芸術祭のボランティア・サポーターであります、こえび隊は、会場となる各島を中心に、アート作家の作品制作の準備段階はもとより、地元住民との協働関係を築き、芸術祭を盛り上げていく重要な役割を担うことが期待されております。 このこえび隊には、現段階で、既に約700名のボランティアが登録をしており、引き続き、幅広い市民の参加を呼びかけてまいりたいと存じます。 そのほか、多くの市民が芸術祭にかかわることのできるような企画も検討をしており、今後とも、市民が一体となって芸術祭を盛り上げることができるよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。 また、今後のスケジュールについてであります。 来る3月30日に、実行委員会の第5回総会が開催をされまして、事業別詳細計画が決定される予定でございます。既に、数名のアーティストは、会場となる島で制作活動を始めており、その他のアーティストにつきましても、4月以降、順次、作品の制作を開始する予定でございます。 今後は、交通対策や安全対策等につきましても準備を進め、7月19日の芸術祭の開幕を万全な体制で迎えたいと存じます。 次に、平成22年度予算編成の留意点についてであります。 22年度予算編成では、歳入につきましては、国の第2次補正予算で措置された地域活性化・きめ細かな臨時交付金を活用する事業を今議会で予算補正するなど、本年度予算と22年度予算とを連動して編成したほか、県の緊急雇用創出基金の活用や、国の22年度地方財政対策において、手厚い財政措置がとられたことによる地方交付税や臨時財政対策債の増加により、一定の財源の確保を見込むことができたところでございます。 一方、歳出につきましては、私のマニフェストに掲げた政策や、22年度からの第2期まちづくり戦略計画の重点取組事業を積極的に盛り込んだところでございます。その中でも、特に、従来、重視してきた環境・コミュニティー・教育のほか、子供・芸術文化・健康の分野にも意を用いるとともに、今後予定される大型事業への対応として、建設事業基金を積み増しするなど、現下の厳しい財政状況の中にあっても、市民が安心して暮らすことができるよう、将来を見据えた、これからのまちづくりを着実に推進する予算編成を行ったところでございます。 また、今後の財政運営についてであります。 22年度当初予算におきましては、プライマリーバランスは7年連続の黒字を確保したものの、歳入の根幹をなす市税収入の減少により、財政調整基金建設事業基金を取り崩さなければ収支の均衡が図れなかったところでございます。 景気の本格的な回復が見込まれず、国の財政状況が非常に厳しい状況にありますことから、地方交付税を初め、他の一般財源についても、不透明な動向が続くことが想定されることに加え、今後においても、生活保護費などの扶助費の増嵩や退職手当が高水準で推移するほか、第2期まちづくり戦略計画に掲げる将来を見据えた事業の着実な推進など、財政需要は、なお増大する見込みとなっております。 このようなことから、今後の財政運営に当たりましては、今年度策定予定の第5次行財政改革計画に基づき、受益者負担の適正化やアウトソーシングの一層の推進、施設維持管理の適正化などに取り組み、健全な財政運営に努めてまいることが何より重要と存じております。 次に、新規財源確保に向けた職員の発想力についてであります。 本市では、これまでも、未利用財産の売却・貸し付け、ホームページや「広報たかまつ」を初めとする各種印刷物への広告掲載など、自主財源の確保に積極的に取り組んできたところでございます。 新規財源の確保につきましては、御指摘のとおり、職員一人一人が市役所を経営するという意識を強く持ち、知恵を絞り、工夫を凝らすことが重要であると存じております。 このようなことから、毎年、予算編成方針の部課長会において、私から、直接、職員に対して、現下の非常に厳しい財政状況を十分に認識し、常日ごろから、現状のままでいいのかという問題意識、刷新の気概を持つことや、既存の制度等にとらわれず、徹底した意識改革による職員一人一人の創意工夫を求め、予算編成に当たるように指示をしているところでございます。 今後におきましては、予算の執行段階から、他都市の取り組み事例も参考に、新規財源の確保について、発想力を生かした検討を行うよう指示をしてまいりたいと存じます。 また、電子メール広告掲載システムについてであります。 御提案の、業務用の電子メールへの広告掲載につきましては、収入確保の面で有効な手段とは存じますが、セキュリティーの確保を初め、安定的な運用や費用対効果の検証など、種々課題があるものと存じます。 このため、今後、宮城県の試みを注視してまいりますとともに、課題解決の方法について、調査研究をしてまいりたいと存じます。 次に、第5次高松市行財政改革計画のうち、第4次計画期間中の最終効果額見込みと評価についてであります。 第4次行財政改革計画目標効果額70億円につきましては、一昨年秋以降の大変厳しい社会経済情勢の中、可能な限りの効果額を得るべく、鋭意、努力を続けているところでございまして、最終的な効果額につきましては、21年度の決算処理において算定することといたしております。 また、財政健全化の目標値では、財政調整基金残高が目標値を上回りますほか、経常収支比率実質公債費比率・市債残高は、目標値への到達までには至っておりませんが、一定の改善が見込まれるところでございます。 計画全体といたしましては、3年間で取り組むべき412項目は、すべて実施あるいは着手しており、一部目標達成に至らない項目はありますものの、おおむね計画に沿って進められたと存じております。 また、自立経営方式への転換についてであります。 第5次計画では、引き続き改革を進める項目につきましては、各部局が責任を持って取り組む部局進行管理制を継続するとともに、相互連携・情報共有で取り組む項目につきましては、組織横断的なプロジェクト管理制を新たに採用し、各部局長やプロジェクトリーダーを中心に自立した改革に取り組み、実効性のある運用を図ってまいりたいと存じます。 次に、民間活力導入への重点化についてであります。 本市では、これまで、保育所や介護老人保健施設などの民営化や、公の施設への指定管理者制度の導入を初めとする民間委託等により、民間活力の導入を図ってまいりました。第5次計画におきましても、業務の総点検における評価の仕組みである事務事業評価・外部評価・事業仕分けの連携により、計画・実施・評価・改善の、いわゆるPDCAサイクルを適切に機能させ、積極的な民間活力の導入に努めたいと存じます。 また、職員数適正化の考え方でありますが、現在、本市では、職員数の適正化計画に基づき、事務事業の見直しや業務の民間への委託などにより、職員数の適正化を推進しているところでございます。 今後におきましても、本市が直接実施すべき事務事業であるか、民間委託などが活用できないか、さらには、正規職員で行うべきか、非常勤嘱託職員で対応可能かを整理し、市民の皆様に御理解いただけるよう職員数の適正化に努めてまいりたいと存じます。 次に、市民サービスに力点を置いた本市行財政改革の推進についてであります。 第5次計画では、サービスの質を維持・向上させながら、改革を、より一層推進するための取り組みとして、従来の課単位による取り組みに加え、同一・類似事業等を所管する各課が、組織横断的に相互連携・情報共有する仕組みを構築することとしております。 具体的には、幼稚園・保育所一体化の検討や上下水道事業の組織統合、水質検査業務の連携など12項目の相互連携と、広聴広報機能の強化など7項目の情報共有に取り組むこととしており、これらの取り組みを推進することにより市民サービスの向上が図られるものと存じております。 さらに、市民満足度などにより、外部委託に関するサービスの質を評価し、その結果をフィードバックするモニタリングシステムの段階的な導入について、新たに取り組むこととしておりまして、限られた財源のもとで、市民からの評価もいただきながら、市民サービスの向上と業務の改善を継続して実施してまいりたいと存じます。 次に、行政と住民との関係を規定する新たなシステムの導入についてであります。 本格的な地方分権社会を迎えるに当たって、これからは、自己決定・自己責任の原則や「自助」「共助」「公助」という補完性の原理に基づく住民自治の拡充と協働のまちづくりが、より重要な課題となってくるものと存じております。 このようなことから、市民が自治の主権者であることを掲げ、情報共有と参画・協働を自治の基本原則とする高松市自治基本条例を施行し、市民が、地域の個性を生かし、自主的・自立的に地域のまちづくりに取り組むための組織として、地域コミュニティー協議会を条例上明確に位置づけ、市民の自発的なまちづくり活動を尊重するとともに、適切な支援を行うこととしたものでございます。 今後、この条例の理念に魂を入れていくためには、コミュニティーの再生を図りながら、市民一人一人がまちづくりの担い手であることを自覚し、市政や地域の課題解決に主体的に取り組むとともに、市民・議会・行政が適切な役割分担のもと、多様な協働関係を構築することが重要であると存じているところでございます。 このため、現在、学識経験者、地域コミュニティ協議会等の代表、NPOなどで構成する自治と協働の基本指針策定委員会において、地域コミュニティ協議会のあるべき姿と、そこに至る道筋を初め、地域コミュニティ協議会やNPO等との協働のあり方などについて協議をいただいているところでございまして、来年度を目途に、自治と協働の基本指針(仮称)を策定してまいりたいと存じます。 次に、介護問題のうち、優先入所が必要とされる人たちの緊急的措置についてであります。 本市では、優先入所が必要とされる要介護4から5の方が436人おられ、そのうち、自宅待機者は257人でございます。このような方々に対しては、特別養護老人ホームにおいて、優先入所の取り扱いが行われておりますものの、待機者の解消には至っていないところでございます。 このため、平成22年度には、地域密着型サービス事業者の募集に加え、新たに、有料老人ホームや軽費老人ホームなどを対象として、その入居者に、介護や日常生活上のサービスを提供できる特定施設入居者生活介護の事業者の募集も予定しておりまして、引き続き、待機者の解消に向け、サービス基盤の整備を図っているところでございます。 また、24年度からの次期介護保険事業計画の策定過程では、利用見込みや保険料に影響する給付費の伸び、その要因となる報酬改定の動向を見きわめながら、介護施設の整備拡充を検討項目にしてまいりたいと存じます。 次に、レスパイト事業の大幅な拡大と、訪問介護サービスを24時間365日利用できる在宅支援の強化についてであります。 本市では、短期入所サービスはもとより、デイサービスの時間延長のほか、夜間のヘルパー等の定期的な巡回訪問や、緊急時の訪問を行う夜間対応型訪問介護などのサービスを通じて、介護者の休息につながる支援を実施しているところでございます。 このようなことから、レスパイト事業の大幅な拡大等につきましては、現在のところ考えておりませんが、今後も、現在実施している事業の周知・普及に努めるとともに、地域での生活を24時間体制で支える地域密着型サービスの拡充を図ってまいりたいと存じます。 次に、介護従事者の待遇実態の認識と待遇改善についてであります。 本年度の介護報酬改定により、介護従事者の待遇に一定の改善が図られたところではございますが、他の業種との賃金格差を縮め、介護が確固とした雇用の場として成長できるよう、さらなる待遇改善が必要と存じているところでございます。 このため、国の支援による介護職員処遇改善交付金について、引き続き、制度の浸透を図ってまいりたいと存じます。 私といたしましては、今回の国の支援措置が、24年度以降も、介護保険料等への負担増に転嫁されることなく継続されるよう、国に対し要望してまいりたいと存じます。 次に、抜本的な介護保険財源構成の改革の必要性についてであります。 本市では、昨年4月、介護保険料の改定を行い、標準となる第4段階の保険料は全国平均を上回っており、保険料負担の地域間格差は拡大傾向にあるものと存じております。このような中、介護給付費負担金については、各保険者に対し、給付費の25%を確実に配分するとともに、現行の調整交付金は別枠化することを、全国市長会などを通じて国に強く要望しているところでございます。 本市の保険給付費は、今後も増加すると見込んでおりまして、健全な介護保険財政の継続のためには、国において、財政支援のあり方や負担割合も含め、大胆な見直しが必要と存じております。 次に、35年の被保険者数・利用者数・利用給付費・保険料基準額の予測についてであります。 現状の要介護認定者の年齢構成は、65歳以上の高齢者のうち、75歳以上の高齢者の占める割合が約87%であり、認定者、すなわち、介護サービス利用者の圧倒的多数は後期高齢者でございます。 このようなことから、いわゆる団塊の世代の方々が後期高齢者の仲間入りをする平成35年以降につきましては、被保険者及び利用者が急増すると見込まれますので、現行制度の負担割合等が継続される場合には、保険給付費とともに、保険料基準額の急激な上昇が予測されるところでございます。 次に、事業の適正化についてであります。 保険者といたしましては、サービスが必要な方に、適正なケアプランに基づく良質なサービス提供を目指しており、引き続き、公平・公正な介護認定に努めるとともに、ケアプランチェックや、香川県国民健康保険団体連合会の介護給付費適正化システムを利用した請求内容の点検のほか、新たに、22年度は、県の緊急雇用創出基金を活用し、介護支援専門員による適正化の確認・指導を、さらに強化してまいりたいと存じます。 次に、介護予防事業を充実する考えについてであります。 本市では、高齢者の心身機能の維持改善を図り、健康寿命を延ばすため、さまざまな介護予防事業を実施しておりますが、とりわけ、将来介護が必要となるおそれのある高齢者、いわゆる特定高齢者への適切な対応が急務であると存じております。 このため、本年度、これまで保健センター等で本市が直接実施しておりました特定高齢者介護予防教室を、送迎も含めて介護サービス事業者に委託し、できるだけ身近なところで実施するなど、参加しやすい環境を整備するとともに、参加希望者の自宅を個別訪問するなど、積極的な参加勧奨に努めたことによりまして、昨年度の2.5倍に当たる約1,000人の参加申し込みがあり、大幅な増加につながったところでございます。 今後におきましても、市政出前ふれあいトークや認知症サポーター養成講座など、さまざまな機会を通じて、市民に介護予防の必要性を周知するとともに、委託事業者の拡大や事業従事者の研修会を開催するなど、一層、介護予防事業の充実に努めてまいりたいと存じます。 次に、高松水環境会議の提言のうち、提言を受けての所感についてであります。 高松水環境会議は、一昨年2月に設置以来、8回の会議を開催し、この間、本会議の委員のほか、公募市民等で構成されたワーキンググループの活動報告や、本市の水環境を取り巻く現状、さらには、京都大学からの調査研究報告も踏まえながら、幅広い議論を経て、先月8日に提言を取りまとめたところでございます。 その内容は、委員からの意見をもとに、本市の水源となる、あらゆる河川の流域を視野に入れた、多様な主体によるネットワークを目指した総合水循環システム構築の必要性と、そのために必要な六つの重点取り組み事項など、本市が、今後取り組むべき施策や方向性についての貴重な提言であるものと存じております。 また、約2年間にわたり、水環境会議やワーキンググループに、公募市民の参画もいただき、水にかかわる、さまざまな関係者とともに議論をいただいたこと自体が、みんなの水をみんなで考えるという提言の趣旨にも沿うものであり、今後の本市の水環境を市民が主体的に考えていく上からも、まことに有意義なものであったと存じているところでございます。 また、提言を生かしていく優先順位についてであります。 本市といたしましては、水環境会議からの提言を待つことなく、会議での議論を踏まえ、可能なものは、早急に施策・事業に反映することといたしております。 このため、本年度からは、節水に関する事業や啓発活動を、新たに「我が家の水がめづくり」事業と総称することとし、この一環として、すべての市民や事業者を対象とした節水キャンペーンの実施や、小規模雨水貯留タンクの助成率の引き上げなどを行ったところでございます。 今後におきましても、施策として実施できるものから、速やかに実施してまいりたいと存じており、とりわけ、提言を踏まえ、来年度中には、水環境に関する新たな条例の制定と、新たな水循環健全化計画の策定を行ってまいりたいと存じております。 また、水環境条例制定の基本方針についてであります。 条例制定に当たりましては、未来の子供たちに持続可能な水環境を引き継いでいくことを基本方針とし、持続可能な水環境の形成に向けての基本理念や水に関する施策を盛り込むとともに、水を通じたまちづくりを、市民・事業者・行政が互いに連携・協働して行うことができる、これまでの本市の水環境への議論や方向性を集大成したものとしてまいりたいと存じております。 また、市民との協働の仕組みづくりについてであります。 市民の皆様とともに、本市の持続可能な水環境形成に向けて取り組むため、新たに制定する条例では、公募市民も含めた、水にかかわる、さまざまな関係者で構成された協議会的組織を設置し、本市の水環境行政について、幅広く御協議いただくことを想定しております。この協議会の活動を通じて、市民一人一人の取り組みに広がりが持たせられるよう、水環境や節水に関するPR活動の強化や水環境教育の充実を図ってまいりたいと存じます。 次に、水利ネットワークの構築についてであります。 このたびの提言では、本市の水利用や管理を効率的に行うためには、流域全体を見据えて考えていくことが必要であり、まずは、農業用水・上水道用水・工業用水として利用している香川用水の水資源ストックを、いかに公正に配分するかが重要とされております。 このためには、現行の法制度上の制約や水融通に対する各利水者の意識など、多くの課題もございますが、信頼と協力というキーワードのもとに、各用水の水利用実態を、利水者それぞれが、お互いに理解し合い、各用水間の水融通などに関するルールづくりに向けて協議できるような場づくりについて、今後、国や県に働きかけてまいりたいと存じます。 次に、市立3病院のうち、意識の覚醒と行動の変革についてであります。 市立病院は、医師不足による患者数の減少や、診療報酬のマイナス改定の影響などにより深刻な経営状況にございます。病院運営は、医師と職員による患者本位の良質な医療の提供が中心であり、職員の意識と行動によっては、患者サービスや経営に大きな影響を与えますことから、この改革が何よりも重要な課題であるものと存じます。 このため、職員が、深刻な経営状況にあるという危機意識を共有し、市立病院の使命と役割を共通認識として持つとともに、経営への参画意識を、より高めていくなど、引き続き、職員の意識と行動の改革に、3病院が一体となって積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 また、病院運営の基本的問題点につきましては、医師確保が厳しい状況であることに加え、職員が病院の基本理念を十分理解し、行動する目標管理が不十分であることのほか、病院経営への結果責任が希薄であること、経営戦略を担う人材が不足していることなどであると存じます。 次に、病院事業経営改革計画の取り組み状況に対する所見についてであります。 本市では、高松市病院事業経営改革計画に基づき、医療関係者などで構成する高松市立病院経営評価委員会を設置し、計画の進捗状況や市立病院の経営改善に関して、意見等をいただくこととしているところでございます。 先月3日に開催した評価委員会では、経営改革計画に掲げる経営の効率化への取り組み項目や、数値目標に対する職員の評価結果について、説明を行ったところでございます。 その内容は、3病院で78の取り組み項目に対して、取り組んだが成果が上がらなかったものなどが43項目と半数以上あり、また、主な経営指標においても、3病院で、4分の3が目標を達成できない見込みとなる厳しい状況でございました。このような結果は、医師不足等による外部要因はあるものの、新病院整備事業を推進している現在、職員の意識改革や取り組み方法等の面で不十分であり、私自身、極めて深刻な事態であると重く受けとめております。 次に、市立3病院の経営改善策についてであります。 評価委員会からは、自治体病院として、市民が必要とする医療の提供が経営改善に資することや、市民からの提言等を速やかに改善できる体制をつくることが、職員の意識改革につながるなどの、厳しい、また示唆に富んだ御意見等をいただいたところでございます。 今後、これらの御意見等を病院運営に的確に反映し、医師確保を初め、職員の意識改革について、病院長などが全医療スタッフとコミュニケーションの活性化を図るほか、経営やサービスに関して目標管理を行うバランススコアカードを導入するとともに、委託業務内容の再点検等の取り組みを強化するなど、経営改革計画を着実に推進してまいりたいと存じます。 さらに、本年4月からの診療報酬の改定に適切に対応するなど、3病院が一体となって、良質な医療の提供と経営の健全化を目指してまいりたいと存じます。 次に、医師確保策と医師の勤務環境、待遇改善についてであります。 医師確保につきましては、私が、病院長とともに徳島大学や香川大学に医師派遣を要請したほか、本市ホームページを活用して一般公募を実施するとともに、初任給調整手当の増額など勤務環境や待遇改善を行っているところでございますが、依然として厳しい状況でございます。 今後におきましては、香川県・県医師会・香川大学等が連携し、医師の育成を進める香川県医師キャリア支援プログラムに、市民病院が研修病院として参画するなど、なお一層、医師確保の取り組みを強化するとともに、市民病院では、本年4月から、管理職の医師が宿直を行うことにより、ほかの医師の宿直回数を減らすほか、給与制度の見直しを検討するなど、さらなる医師の勤務環境や待遇改善にも取り組んでまいりたいと存じます。 次に、経常収支改善の具体策とスケジュールについてであります。 市民病院は、良質な医療を継続して提供するため、経営改革計画に基づき、経営の効率化を図り、持続可能な病院経営を目指しております。 今後におきましては、医業収益の増加を図ることが、経常収支改善に重要となりますことから、先ほど申し上げました、医師確保策を着実に進めるとともに、評価委員会の御意見等を踏まえて経営改善を推進しながら、地方公営企業法の全部適用への移行や、新病院の整備を一体的に推進することにより、経営改革計画に基づき、平成24年度以降の、できるだけ早い時期に、経常収支の黒字化ができるように全力を傾注してまいりたいと存じます。 次に、地方公営企業法全部適用への移行と事業管理者選任の要件・スケジュールについてであります。 病院事業の経営形態につきましては、経営改革計画に、地方公営企業法の全部適用への移行を位置づけており、迅速な意思決定と、より自立的な病院運営によりまして、良質な医療の提供と経営改善を図ってまいりたいと存じます。 このため、私といたしましては、事業管理者には、自治体病院の経営に精通し、医師・看護師等に対し強い指導力があり、医師確保においても幅広い人脈を有しているなど、病院づくりに情熱と責任感を持って、率先して行動する、すぐれた人材を、できるだけ早期に確保できるよう取り組んでまいりたいと存じます。 また、新たな業務の処理体制の確立や職員の労働条件等に係る職員労働組合との協議など、必要な諸準備を、鋭意、進め、23年4月までに全部適用への移行を目指してまいりたいと存じます。 次に、宇高航路存続に向けた所見についてであります。 高松港を発着する航路の中でも、宇高航路は、香川県と岡山県を結ぶ海上交通の動脈として、本市や香川県の発展に大きく寄与し、生活航路としても重要な役割を果たしてまいりました。この航路が廃止されれば、離職者の発生はもとより、通勤・通学に利用する約1,300人を初め、生活関連目的を含めた利用者約3,100人の生活の足が非常に不便になるとともに、瀬戸大橋を通行できない大型機材の輸送はもとより、物流面を初めとする本市の経済・観光に及ぼす影響は甚大でありますことから、この航路を存続させることが、ぜひとも必要であると存じているところでございます。 この問題につきましては、航路事業者2社が撤退を判断するに至った、高速道路や瀬戸大橋通行料金の引き下げ措置は、国策として実施され、他の航路や鉄道事業等にも大きく影響していること、また、この航路は、本州と四国を結ぶ国道30号の海上区間を担うものでありますことから、国において責任を持って対応すべきものと存じております。 また、去る4日の、国道フェリー株式会社の廃止届取り下げにより、今月26日をもって航路の廃止という最悪の事態は回避されますが、その一方で、持続可能な経営が、どこまで続けられるかは今もって不透明であり、将来にわたり継続運航するためには、瀬戸大橋等の新料金体系のあり方を含め、国による中長期的措置の明示が必要であると存じております。 このようなことから、去る6日に開催された、国と関係地方自治体から成る宇野高松間地域交通連絡協議会の場では、地方からの支援策ではなく、国を実施主体とする社会実験の実施を、香川・岡山両県及び玉野市とともに提案するなど、地方の考えを示してまいったところでございまして、引き続き、国において責任ある対応を講じるよう強く求めてまりいたいと存じます。 なお、その他の件につきましては、教育長から答弁いたしますので、よろしくお願いをいたします。 ○議長(大橋光政君) 教育長 黒川康嘉君。 ◎教育長(黒川康嘉君) 36番野口議員の代表質問にお答え申し上げます。 教育センター(仮称)整備の決意についてであります。 教育研究所は、昭和23年に、本庁学務課内に創設し、事務所を種々移転した後、60年に市民文化センター内に開設し、現在に至っております。この間、中核市移行に伴う教員研修の拡充を初め、適応指導教室の運営、教育情報ネットワークの整備・運用など、業務・人員が拡大する中で施設面の充実が強く求められていたところでございます。 このたび、計画しております教育センター(仮称)は、教育研究所及び適応指導教室「虹の部屋」を、新塩屋町小学校の跡地・跡施設を利用して整備するもので、教職員の資質・能力の向上や、子供の心の問題に起因する多様な問題の解決、教育情報機器の活用と校務の効率化による子供と向き合う時間の確保など、多面的な教育支援機能の充実を図るものでございます。 私といたしましては、教育センター(仮称)の整備を機に、子供たちの学習意欲や規範意識の低下、不登校問題などの教育課題の解決や、本市の教育水準の向上に向けた、学校現場と連携した実践的な調査研究を行い、本市教育の充実・振興に資する拠点施設として有効に機能するよう、効果的な運用に取り組んでまいりたいと存じます。 また、研修室の有効利用についてでございますが、今回、整備を計画しております研修室は、教職員研修の中心的な施設として、夏季休業中に約40回、それ以外で80回程度の利用を計画しておりますほか、長期研修生の研修や、不登校対策の各種会議などの利用を予定しているところでございます。 教育センター(仮称)の施設計画といたしましては、教職員の研究・研修及び適応指導教室としての利用を前提としているところでございまして、一般の利用に広く供するための施設整備は、現在のところ計画しておりませんが、御指摘の、施設の有効利用を図りますため、市の研修や諸会議の会場としての利用など、積極的な活用に努めてまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(大橋光政君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。──御発言がないようでありますので、以上で36番議員の代表質問は終わりました。 この際、暫時休憩いたします。 なお、午後1時に再開いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。      午前11時37分 休憩  ────────────────      午後1時2分 再開 出席議員 50名  1番 十 川 信 孝  2番 森 川 輝 男  3番 伏 見 正 範  4番 大 浦 澄 子  5番 神 内 茂 樹  6番 高 木 英 一  7番 妻 鹿 常 男  9番 今 井 健 二  10番 小比賀 勝 博  11番 山 下   稔  12番 綾 野 和 男  13番 佐 藤 好 邦  14番 波 多   等  15番 池 内 静 雄  16番 鎌 田 基 志  17番 藤 原 正 雄  18番 森 谷 忠 造  19番 中 村 順 一  20番 菰 渕 将 鷹  21番 新 上 隆 司  22番 西 岡 章 夫  23番 岡 下 勝 彦  24番 大 橋 光 政  25番 加 藤 博 美  26番 井 上 孝 志  27番 辻   正 雄  28番 住 谷 幸 伸  29番 白 石 義 人  30番 落 合 隆 夫  31番 香 川 洋 二  32番 二 川 浩 三  33番 中 村 伸 一  34番 山 田   勲  35番 吉 峰 幸 夫  36番 野 口   勉  37番 春 田 敬 司  38番 竹 内 俊 彦  39番 鍛冶田 智 育  40番 綾 野 敏 幸  41番 山 本 悟 史  42番 大 山 高 子  43番 亀 割 浩 三  44番 山 崎 数 則  45番 岡 野 朱里子  46番 植 田 真 紀  47番 多 田 久 幸  48番 三 好 義 光  49番 岡 田 まなみ  50番 大 塚 茂 樹  51番 藤 井 康 子  ──────────────── 欠席議員 1名  8番 三 笠 輝 彦  ──────────────── 議会事務局出席者  事務局長     塩 津 政 春  事務局次長総務調査課長事務取扱           伊 藤 憲 二  議事課長     大 塩 郁 夫  議事課長補佐   西 川 宏 行  議事係長     細 谷 秀 夫  書記       横 山   智  ──────────────── 説明のため会議に出席した者  市長       大 西 秀 人  副市長      岡 内 須美子  副市長      金 井   甲  水道事業管理者  稲 垣 基 通  教育長      黒 川 康 嘉  市民政策部長   岸 本 泰 三  総務部長     石 垣 佳 邦  財務部長     大 嶋 光 晴  健康福祉部長   香 西 信 行  病院部長     田 中 義 夫  環境部長     松 本 典 久  産業経済部長   冨 田   繁  都市整備部長   井 上 貴 義  消防局長     穴 田 豊 久  教育部長     松 木 健 吉  市民政策部次長  原 田 典 子  総務部次長    伊 佐 良士郎  財務部次長    城 下 正 寿  健康福祉部次長  川 西 正 信  病院部次長    篠 原 也寸志  環境部次長    合 田 彰 朝  産業経済部次長  大 熊 正 範  都市整備部次長  吉 原 正 文  消防局次長    福 田 健 之  水道局次長    小 西 利 男  教育部次長    川 田 喜 義  秘書課長     東 原 利 則  総務課長     好 井 清 隆  財政課長     鴨 井 厚 二  ──────────────── ○議長(大橋光政君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質問を続行いたします。 47番議員の発言を許します。47番 多田久幸君。  〔47番(多田久幸君)登壇〕 ◆47番(多田久幸君) 日本共産党議員団を代表して質問させていただきます。市長並びに関係部長の積極的な答弁をお願いします。 なお、これまでの代表質問と一部重複するところもありますが、御了承いただきたいと思います。 まず、市長の政治姿勢についてであります。 今、経済危機のもとで、国民の暮らしの実態は極めて深刻です。昨年の失業率は5.1%と、悪化幅は過去最高となり、有効求人倍率も0.47と史上最悪となりました。日本経済の土台を支える中小企業の年間倒産件数は1万3,000件を超え、倒産によって、毎月、1万人を超える雇用が奪われています。経済危機から国民の暮らしを守るために、政治が何をなすべきかが問われています。 日本の経済危機が、発達した資本国の中でも特に深刻であることは、OECD──経済協力開発機構の経済見通しによると、日本の2009年実質経済成長率はマイナス5.3%と、先進7カ国のうちで落ち込みが最も激しくなっています。なぜ、日本の経済の落ち込みが、これほどまでに激しいのか。その根本に、日本経済の抱える異常なゆがみがあると考えます。 2008年秋のリーマンショック前までの10年間──1997年から2007年で、先進7カ国──G7におけるGDP──国内総生産と雇用者報酬の推移がどうなったかであります。GDPの伸び率ですが、他の6カ国が、10年間で3割から7割ふやしているのに対し、日本の伸び率は、わずか0.4%です。雇用者報酬、すなわち、働く人の所得の伸びは、これも、他の6カ国が2割から7割ふやしているのに対し、ひとり日本だけが5.2%減らしています。 この10年間で、自公政権は、構造改革・成長戦略のかけ声で、強い企業を、もっと強くする、そうすれば、企業の利益が、いずれは国民の暮らしに回り、経済も成長すると言い続けてきました。確かに、この時期、大企業は、空前の利益を上げ続けました。しかし、国民の所得は落ち込み、経済全体も、成長どころか、日本は、G7の中でも、最も成長力のない国になってしまいました。 大企業が空前の利益を上げながら、暮らしも経済も豊かにならなかったのはなぜか。1997年から2007年の10年間の大企業の経常利益と内部留保・雇用者報酬の推移を見ると、資本金10億円以上の大企業の経常利益は、15兆円から32兆円に大きくふえています。そして、大企業の利益は、巨額の内部留保となって蓄積され、この10年間で、142兆円から229兆円に急膨張しました。 その一方、労働者の雇用者報酬は、279兆円から262兆円に大きく落ち込みました。大企業が利益を上げても、少しも国民の暮らしに回らず、過剰な内部留保となって蓄積され、このシステムが家計と内需を衰退させ、日本経済の成長力を損なってきました。 イギリスの新聞 フィナンシャル・タイムズは、1月13日付で、日本の困難な数十年から何を学べるかと題する論評を掲載しました。そこでは、なぜ日本経済が、世界的規模のショックに、これほどまでに脆弱だったのかと問いかけ、企業が過剰な内部留保を蓄積したことを、日本経済の基本的な構造問題の一つとして指摘しています。そして、内需主導の成長のために最も重要な要件は、企業貯蓄の大規模な削減であり、新政権は、企業の行動を変化させる政策を実行すべきだと述べています。 そこで市長にお尋ねします。 現在の日本経済は、国民がつくった富を大企業のみがひとり占めする仕組みになっていると考えます。日本経済をまともにするためには、このシステムを改める必要があると考えます。御所見をお聞かせください。 さて、大企業が利益を上げても、少しも国民の暮らしに回らず、大企業の内部留保となって蓄積される。このシステムが、どうやってできているかといえば、労働法制の規制緩和による正社員の非正規社員への置きかえ、リストラと賃下げ、下請け単価の買いたたきを初めとして、中小企業いじめの上につくられています。このシステムを変えるためには、二つの改革がどうしても必要です。 第1は、大企業に安定した雇用を保障する社会的責任を果たさせること。特に、非正規社員から正社員への雇用転換を進めるルールをつくることです。 第2は、大企業と中小企業の公正なルールをつくることです。 この二つの改革を進め、大企業の巨額の内部留保と利益を国民に還元させる、そうしてこそ、日本経済の健全な発展の道が開かれます。 さて、2008年秋、アメリカ発の金融危機は、世界経済を混乱させ、日本経済にも深刻な打撃を与えました。県内でも、アオイ電子・タダノなどの県内主要企業で、大量の人員削減が行われました。 ところで、2009年3月、「市内に誘致施設等を設置する企業に対し、助成措置を講ずることによってその立地を促進し、地域経済の発展、産業の高度化および活性化ならびに雇用機会の拡大を図るとともに、にぎわいを創出し、もって市民生活の安定向上に寄与する」ことを目的とする高松市企業誘致条例が制定されました。 企業誘致の助成内容は、工場の立地奨励は、投下固定資産額──土地を除く──の5%、雇用奨励は、10人までの新規常用雇用者数掛ける50万円、11人目以降の新規常用雇用者数掛ける30万円であります。 1月12日、アオイ電子株式会社の高松工場中央館の立地が決定し、高松市企業誘致助成の対象工場に指定されました。アオイ電子株式会社高松工場中央館の概要は、敷地面積が約8,430平方メートル、新規雇用70名、事業内容は、半導体・集積回路などの製造、会社概要では、資本金45億4,550万円、従業員1,318人とあります。また、2010年3月期第3四半期決算短信によれば、2010年3月期の連結業績予想は、当期純利益2億円であります。純資産合計約254億円、資本剰余金約57億9,000万円、利益剰余金約151億5,000万円で、いわゆる内部留保は約209億4,000万円になります。 そこでお尋ねします。 第1点、アオイ電子は、2008年秋の金融経済危機以来、正社員の解雇などを含め、大量の人員削減を行いました。人員削減の具体的内容についてお聞かせください。 第2点、アオイ電子については、経常利益は減少したものの、200億円を超える内部留保を蓄えておりながら人員整理を行いましたが、このことについて、どのように考えるのか、市長の御所見をお聞かせください。 第3点、今回のアオイ電子への助成内容について、具体的にお示しください。 第4点、巨額の内部留保を持ちながら大量の人員整理を行ったアオイ電子に、企業誘致条例に基づく助成を行うことについて、どのように考えるのか。 第5点、雇用奨励では、新規常用とありますが、派遣や非正規ではなく、正規社員として雇用するよう要請すべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 第6点、労働者派遣法の改正に当たっては、製造業派遣は全面禁止にする、登録型派遣の例外としての専門26業務の抜本的な見直しを図るなど、労働者保護法として真に実効あるものとするように国に強く求めるべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 次に、2010年度の高松市の予算編成についてお尋ねします。 高松市の2010年度の当初予算案は、一般会計は1,428億1,000万円で、前年度当初予算を約50億円3.7%上回り、2年連続して過去最大を更新しました。子ども手当の創設に伴う増加分約47億円を除くと、実質的な規模は約3億5,000万円0.3%の微増です。歳入では、景気悪化の影響で市税が大幅に落ち込みましたが、地方交付税の増額で補い、重点事業に積極的に配分したとしています。 そこで、予算案の具体的内容を見ると、大型開発では、新政権がダムの見直しを打ち出しておりますが、渇水対策に十分な効果が期待できない椛川ダム整備事業出資金・水源地域整備事業費に約6,900万円計上されています。また、事業の採算性が見込めず凍結されていた丸亀町G街区市街地再開発事業が開始されることになり、再開発組合に13億9,000万円余という巨額の補助金を支出、高松市は約3億6,000万円を負担。同和対策事業では、2001年3月末、同和対策の特別法が失効し、一般対策に移行したにもかかわらず、人権啓発推進費約5,800万円、同和向け住宅──国分寺町東山第3団地住宅建設事業費約2億9,000万円、隣保館費・児童館費約1億8,000万円の予算が計上されています。 本来、このような大型開発や同和関係予算こそ、行財政改革事業仕分けの対象項目にして、公開の場で徹底的に総点検すべきであります。その一方で、受益者負担を強いる下水道使用料の平均改定率14.8%引き上げ、また、今、子供の貧困が深刻な問題になっている中で、わずかな金額であるにもかかわらず、新入学時児童生徒学用品費の廃止、地元で小学校の存続を求める声があるにもかかわらず、塩江地区学校統合費約2,600万円が計上されています。 そこでお尋ねします。 第1点、新年度の予算編成については、無駄な大型開発や同和対策事業を見直し・中止して、市民の暮らしや福祉、中小企業支援、教育を充実させる内容に切りかえるべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 第2点、失業や倒産で深刻な貧困、生活苦になっている市民が大勢生まれています。そのような市民に対して、親身な対応と早急に生活保護制度を受けられるように十分な予算措置を行うべきであると考えます。 第3点、子供の貧困が深刻になっています。小中学校の就学援助制度が、低所得者世帯の実態に沿うように十分な予算措置を行うべきであると考えます。 次に、公契約についてお尋ねします。 自治体で働く臨時職員が低賃金を強いられ、低入札価格によって、公共工事や公共サービスを受注した企業で働く労働者が低賃金に苦しんでいます。委託契約の解約と同時に、労働者が解雇されるという深刻な事態も生まれています。 こうしたもと、公共工事や公共サービスを発注する公的機関──国・自治体などと受注した事業者との間で結ばれる契約──公契約に、生活できる賃金など、人間らしく働くことのできる労働条件を確保する法律・条例の制定を求める世論と運動が大きく前進しています。 公契約法・条例の制定を求める世論と運動が前進している背景に、官製ワーキングプアと呼ばれる深刻な事態の広がりがあります。公務職場に働く非正規労働者も、公共工事・公共サービスを受注した企業で働く労働者も低賃金に苦しみ、住民の税金を使った事業が、働く貧困層──ワーキングプアを大量に生み出すという異常な事態が生じています。 公契約の事業で働く労働者は1,000万人に達すると言われています。こうした中で、公契約法等を求める意見書を採択した地方議会は、40都道府県の776議会に上ります──全建総連調べ、2009年11月現在。 公契約に人間らしい労働条件を保障することは、国際条約が求めていることです。国際労働機関──ILOの公契約における労働条項に関する条約第94号と同勧告が、これに相当します。重要なのは、第94号条約が立脚する考えです。公契約とは、公的資金、つまり、住民の税金を使って行う事業にかかわる契約です。発注者である公的機関は、この事業でワーキングプアをつくってはならないし、公的機関は労働者を雇用しているので、雇用主──使用者の模範にならなければならないという考え方です。さらに、受注する民間企業も、住民の税金を使った事業で利益を上げているわけですから、労働者の賃金を買いたたいてワーキングプアをつくってはならないということが要請されます。 ILOの2008年の総会で、圧倒的多数で第94号条約の重要性を確認しました。第94号条約を批准している国は、59カ国──2009年12月現在、加盟183国のうち約3分の1が批准をしています。日本は未批准です。批准しない理由は、賃金などの労働条件は労使で決められている。これに国が介入するのは適切でないという理由からです。 しかし、第94号条約は、こうした考え方を否定して、公契約で働く労働者に人間らしい労働条件を確保するために、国が責任を果たさなければならないという立場に立って採択されたものです。この考え方が国際的に広く承認されています。 そこでお尋ねします。 第1点、公契約で働く労働者に人間らしい労働条件を確保することが大切だと考えます。 第2点、国に対し、ILO第94号条約を批准するよう要請すべきであると考えます。 第3点、公契約における適正な賃金の支払いを確保する法律──公契約法の制定を国に対し要請すべきであると考えます。 以上、御所見をお聞かせください。 次に、公務労働での雇用問題についてお尋ねします。 地方公務員法は、恒常的な業務は正規職員が行うことを基本前提とし、臨時の職や非専務職については、限定的に臨時職員や非常勤嘱託職員──以下、非正規雇用労働者と総称──を任用するとしています。 しかし、行政に対する住民ニーズは、ふえこそすれ、一向に減少していないにもかかわらず、総務省による地方財政の締めつけ、総額人件費の削減、定数管理の強まりと集中改革プランの押しつけなどにより正規職員の削減が進められてきました。その結果、各自治体では、正規職員に長時間過密労働が押しつけられるとともに、他方では、民営化の推進、非正規雇用労働者が大量に任用されました。また、住民要求の高まりに対して、延長保育や学童保育など新たな公共サービスが求められてきました。 これに対して、財政的制約や、安上がりに済まそうという自治体当局の意図や、本格的・恒常的な職でありながら、勤務時間は短時間という職を担う制度がないことから、正規職員はふやさず、非正規雇用労働者で対応しようとしてきました。こうして、本来、正規職員を任用するべき本格的・恒常的職に臨時・非常勤嘱託職員などを任用するという、地方公務員法から逸脱した任用が大量に行われてきました。 総務省の調査によれば、週労働時間20時間以上で6カ月以上雇用されている非正規雇用労働者の総数は約49万8,000人──2008年4月現在ですが、自治労連や全労連が行っている非正規実態調査によれば、自治体で働く3人に1人は非正規雇用労働者となっており、実際には、少なくとも60万から70万人になると見られています。とりわけ、非正規雇用保育士は、総務省調査でさえ8万9,000人となっており、正規保育士は9万2,000人。非正規雇用保育士が中心となっている保育所が少なくありません。高松市も同じ状況です。 非正規雇用労働者は、保育所を初め、住民・利用者と直接接する職場に配置されていることが多く、それだけ、やりがい・働きがいもあります。正規職員と同等の仕事を一生懸命こなしているのですが、賃金労働条件は極めて劣悪です。賃金・報酬は、正規職員初任給水準や民間地場賃金・最低賃金などに準じて決められています。しかも、継続して10年・20年と働き、頼られるベテランとなっても、昇給・経験加算制度や一時金・退職金制度がない場合がほとんどで、賃金は、1年目の新人と同額、一生懸命働いても年収200万円以下になっており、自治体がワーキングプアをつくっている状況です。 正規と同じように働いているのに、こんなに賃金が低いのはなぜとか、正規職員の一時金支給日には、職場に行くのが嫌になると強い怒りや嘆きがあります。非正規化や経費削減を最優先する民営化などが、公共サービスを担う労働者の労働条件の悪化と公共サービスの質の低下をもたらしていることに対し、国や自治体において見直す動きも生まれています。 人事院は、2008年8月、非常勤給与指針を発表しました。これは、職務経験を考慮した賃金決定、一時金の支給努力など、国の職場で働く非常勤職員の待遇を、不十分ではあるが均等待遇に近づけようとするものです。 2009年5月に全会一致で成立した公共サービス基本法は、第11条「公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備」において、「国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする」と定めました。 そこでお尋ねします。 第1点、昨年成立した公共サービス基本法第11条について、どう受けとめ、どのような施策を実施しようとしているのか。 第2点、本来、正規職員を任用すべき職に正規職員を任用できるよう増員すること。そして、その職を担っている非正規雇用労働者を正規職員に任用がえすること。 第3点、本格的・恒常的業務であるが、勤務時間は短時間の職を担う均等待遇に基づく任期の定めのない短時間一般公務員制度を確立することなど抜本的改善を行うべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 次に、第5次高松市行財政改革についてであります。 高松市は、来年度から3年間で取り組む第5次行財政改革で、経費の削減と歳入の確保を進め、3年間で42億円の効果額を見込んでいます。職員数の削減目標は4.2%160人。全事務事業で事業仕分けの考えを導入し、必要性や緊急性、実施主体について総点検し、健全財政の維持に努めるとしています。42億円の内訳は、各部局の行革の取り組みで20億円、人員削減で22億円となっています。市財政は、市税収入の落ち込みに加え、退職手当や新総合計画に伴う投資的経費の増加で厳しい状況が続くとして、3年間で約178億円を見込む財源不足に対し、計画実現で42億円を穴埋めするとしています。 そこで、お尋ねします。 今回の行財政改革でも、効果額42億円のうち、22億円が人員削減によるものです。行財政改革の目玉として職員数の適正化人員を掲げています。何をもって適正化人員としているのか、その根拠と適正化人員をお示しください。 第2点、市民福祉の象徴ともいえる公立保育所の職員の半数以上が官製ワーキングプアの非正規職員であり、合併町の支所では、大幅に職員が削減されました。これ以上職員が削減されても、市民のニーズにこたえる住民サービスを行えると考えているのかどうか。 第3点、これ以上の正規職員削減による行財政改革でなく、市民サービスの充実、地域産業の振興などにより雇用と市の財源を確保する方向を目指すべきと考えます。御所見をお聞かせください。 次に、水問題についてお尋ねします。 水資源の有効活用策を検討してきた高松水環境会議が、2月8日、提言書をまとめ、大西市長に提出しました。その中で、持続可能な水環境の形成に向けた総合水循環システムの構築を提言しています。重点目標として、市水道局と下水道部局の統合など、水の生産・消費・再生・処理の一体的管理、水融通のルールを定めた新たな水利ネットワークの構築、雨水・地下水や下水処理水再生水の有効活用、水環境教育の充実などを提言しています。提言の実効性を高めるために、これらの取り組みを明確にし、基本理念を定めた水環境条例を定めることや、市民・学識経験者などで取り組みを検証するための組織──(仮称)水環境審議会の設置を求めています。 また、提言の成功のかぎを握っているのが、水利ネットワークの構築であります。高松市が主な水源としている香川用水の管理は、香川県や独立行政法人 水資源機構・香川用水土地改良区など異なる主体によって行われております。その結果、各用水間の総合的な管理がなされないまま、水の有効利用の観点から見れば、非効率的な水利用システムを定着させてきました。 香川用水の水融通については、渇水時に、県が渇水対策本部を立ち上げてから土地改良区と協議し、その都度、特例措置として実施されてきました。この各用水を、さらに有効に利用するためには、各用水の水利用実態を、お互いに知ることが大事であり、相互理解のもとで、各用水間の水融通に関し、負担の問題も含めたルールを利水間で取り決め、新たな水利ネットワークをつくることが必要であるとしています。 具体的には、農業用水から水道用水への融通を前提にしたルールづくりと、融通する量や費用負担の目安を定めることを求めています。 そこでお尋ねします。 第1点、市長は、高松水環境会議の提言について、どのように受けとめているのか、御所見をお聞かせください。 第2点、水環境条例の制定、検証するための組織──(仮称)水環境審議会の設置について、どのように考えているのかお聞かせください。 第3点、水利ネットワーク構築に向けて、どのように進めていく考えなのか。 第4点、提言には、下水処理水再利用設備を整備し、再生水の利用を広げるために、香東川浄化センターに高松市が下水処理水再利用設備を整備し、香西地区周辺の再生水利用を促進することが必要であるとあります。下水処理水再利用設備の整備について、どのように考えているのか、御所見をお聞かせください。 さて、提言の中でも、良好な水環境をつくる取り組みに、ため池の取り組みが位置づけられています。住民の憩いの場としての、ため池堤防の公園化と美化推進を図る。また、ため池を整備し、農業に使用しながら、水辺空間、生物が生息する空間として利用し、ため池を含む美しい景観の形成とともに、豊かな自然との触れ合い、潤いのある高松のまちづくりを行う必要があるとしています。 同時に、ため池の管理も考えなければならないとしています。ため池は、数百年にわたり、営々と利用・管理され、今日まで受け継がれてきました。しかし、現在では、社会構造の変化や農業者の高齢化により、ため池の保全・管理が困難になってきています。 ため池は、農業用水として利用されるほか、防災・環境保全・生物多様性・景観形成など多様な機能を持ち、高松市の文化的財産とも言えるものであり、保全し、後世に引き継いでいかなければなりません。そのためには、地域住民・行政、また、企業の環境CSR──企業の社会的責任としての参加などにより、ため池を管理する方法を検討しなければならないとしています。 高松市の市街地周辺のため池 野田池は、太田第2土地区画整理事業により市街化が進み、受益面積が大幅に減少し、また、農業者の高齢化で、堤防の草刈りなども十分に行われず、保全管理が困難になってきています。そのため、ごみの不法投棄も進み、美観が著しく損なわれる状況が生まれています。その一方で、毎日100人から200人、ウオーキング・散策など地域住民の憩いの場にもなっています。 そこでお尋ねします。 第1点、高松市として、土地改良区・地域住民に働きかけて、市街地周辺のため池についての良好な水辺環境と保全管理について早急な対策を講ずるべきであると考えます。 第2点、野田池の有効貯水量は20万トンとも言われています。水田の受益面積が減り、水の利用が半減しています。高松市・土地改良区など用水間で協議して水の有効利用を検討すべきであると考えます。 以上について御所見をお聞かせください。 次に、下水道使用料の改定についてお尋ねします。 新年度の下水道事業特別会計予算では、下水道使用料の改定が盛り込まれています。改定内容は、平均改定率14.8%、一般家庭使用料1カ月当たり20立方メートルで2,084円から2,385円への値上げであります。実施期間は、2010年6月1日からであります。 これまで、高松市の下水道使用料の改定経過は、2001年が29.7%、2004年が6.9%、3年ごとに見直してきました。また、2005年までは、維持管理費と汚水資本費の50%を下水道使用料で回収することになっていましたが、2006年6月の地方財政措置に伴う使用料対象資本費の見直しで、使用料対象の資本費が上がりました。しかし、2007年は、市町合併を考慮して改定を見送り、2007年度から2009年度までの3年間で、約15億4,000万円の一般会計からの繰り入れも行ってきました。2010年度から2012年度までにおいても、2007年度から2009年度までと同じように、資本費平準化債18億円、一般会計からの繰入金15億4,000万円の繰り入れを行えば、下水道使用料を改定しなくても十分やっていけます。 ところが、今回の下水道使用料の値上げは、上下水道統合・企業会計移行経費以外の一般会計からの繰り入れは行われないというものです。下水道事業については、受益者負担で賄うというものです。下水道事業について、現在の特別会計から企業会計に移行する前に、受益者負担のシステムを確立して、独立採算で行おうとしている市当局の姿勢が、はっきりとあらわれています。 そこでお尋ねします。 今、深刻な経済危機の中で、市民の暮らしや中小企業の営業は大変厳しい状況であります。市民生活に大きな影響を与えることになります。下水道使用料の値上げは、余りにも利用者に負担を押しつけるものであり、見送るべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 次に、塩江町地域のまちづくりについてお尋ねします。 風力発電収益で森林の間伐・太陽光発電に補助、町内産木材を使って民家や公共施設建設、木質ペレット生産、自然エネルギー活用や資源循環型社会を目指すまちづくりを進めている高知県の檮原町が注目されています。 檮原町は、日本最後の清流と呼ばれる四万十の源流域にあります。面積の91%を森林が占め、愛媛県境に沿って広がる四国カルスト高原を抱え、雲の上の町と言われています。人口は約4,000人。人口減少や高齢化が進む中、町が選んだのは、環境で未来を開くことでした。総合的取り組みが評価され、全国に13ある環境モデル都市の一つに選ばれています。 町を歩くと、屋根に太陽光発電パネルをつけた家が目につきます。国の助成とは別に、1キロワット当たり20万円という町独自の助成制度があります。既に、町内の5.5%に当たる約100世帯が設置しています。 風力発電では、年間平均風速7.2メートルという立地条件を生かし、標高1,300メートルの高原に2基の風車を設置しています。740トンのCO2に相当する年間380万キロワットを発電し、4,000万円程度を四国電力に売電しています。約400万円の経費を除いた収益部分を環境基金にして、太陽光発電パネル設置と森林間伐への補助に使っています。 間伐材や製材所の短材などを圧縮してつくった小粒の固形燃料──木質ペレットの活用も進められています。川の落差を生かした小水力発電は、昼は中学校の電力に、夜は中心部の街路灯に利用しています。温水プール──雲の上のプールは、地熱を利用しています。プールの加温以外に、給湯・暖房なども地熱利用です。 CO2を吸収し、四万十川に、きれいで豊かな水を供給する森林を維持することは、町の大きな課題です。森林の木を適切な密度にするための間伐は、森を維持するために必要です。木材価格の低下や高齢化で間伐が進んでいませんでした。事態を変えたのが、町独自の間伐助成制度です。1ヘクタール当たり10万円の間伐助成を開始し、実績を倍加させています。財源のうち2,000万円は、風力発電の売電益である環境基金です。町は、森林組合と共同で、間伐など森林整備のための林道や作業道建設にも力をいれています。 町内で出される、し尿や樹皮を原料にして堆肥をつくる土づくりセンターは、資源循環を目指して建設されました。 町の目標は、2050年までに、1990年比で温室効果ガス排出量70%削減、吸収量4.3倍、エネルギー自給率100%超です。そのため、風力発電を40基、太陽光発電500戸などを目指しています。自然との共生で地域活性化を目指しています。そして、林業も地域経済の振興も進められている、今、小さくても輝く自治体として全国から注目されています。 さて、高松市と塩江町の合併によるまちづくりプラン──建設計画では、施策・事業として、「“循環”のまちづくり~自然を守り、生かした、自然と共生するまちの実現~」を掲げています。そして、「様々な機能を有する森林の保全を図るため、安定的な財源の確保に努める中で、間伐など森林の保育や治水事業を計画的に推進する」とあります。 また、「“交流”のまちづくり~豊かな交流資源を生かした活気のあるまちの実現~」を掲げています。その中で、時代の変化にこたえる産業を育てるまちづくりを目指し、「農業の振興」では、高冷地野菜・花卉・茶などの特産品の生産振興、体験型農業の推進を図るとしています。「林業の振興」では、林業の活性化と森林の観光・交流空間としての活用を促すために、間伐等による林地整備や林道整備を進めるとあります。 このように、高松市と塩江町の合併によるまちづくりプランでも、高知県の檮原町と同じように、自然と共生したまちづくりを目指しています。 そこでお尋ねします。 第1点、高松市として、塩江町地域について、地域特性を生かし、林業で地域経済の振興を図るなど資源循環型を目指すまちづくりを積極的に進めるべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 第2点、塩江町地域については、太陽光・風・水・木・地熱など多様な自然エネルギーを活用し、エネルギー自給率100%を目標にしたまちづくりを目指すべきであると考えます。 第3点、2007年3月定例会において、高松市における過疎地域は、旧塩江町全域が対象で、2006年4月の国の調査の時点では、住民の半数以上が65歳以上の限界集落は、50集落のうち18集落で、いずれ消滅する可能性のある集落が1集落あり、山間部において、高齢化と人口減少が著しい状況となっていると答弁されています。現在の塩江町地域の過疎集落の現状と、これ以上の過疎化に歯どめをかけるための抜本的対策を講じるべきであると考えます。 さて、清流で知られる高知四万十川の地元で考案された四万十式作業道と呼ばれるエコ林道が全国に広がっています。材料を、すべて現地調達するため、環境にやさしく、設置コストが格段に安いのが利点です。水源保全で森林整備を進めるサントリーが導入を始め、林野庁も、新年度から補助金を出す方針です。 四万十方式は、設置現場に生える植物の根や葉を含む表土と、表土の下にある土を交互に積み重ねて強度を保つのが特徴です。重機で踏み固めれば、表土にある植物の繊維質と土が絡み合って、くずれにくくなり、砂利や丸太でつくる従来の作業道の5分の1、コンクリート舗装した林道と比べれば50分の1程度で済むと言われています。 そこでお尋ねします。 高松市においても、四万十方式による林道整備を積極的に行うべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 最後に、イノシシ被害対策についてお尋ねします。 去る2月27日、山田地域の明日を考える会──山田革新懇主催のイノシシ被害対策懇談会が三谷コミュニティセンターで開催され、三谷地域の被害を受けた方も大勢参加されました。 香川県東讃農業改良普及センターから講師を招いて、鳥獣被害の実態と、その対策について報告を受けました。参加者から、地域ぐるみの取り組みをやろう、こんなによい話が聞けるとは思わなかったとの感想が寄せられました。 報告によると、東讃管内でも、イノシシ・猿・アライグマ・ハクビシンなどによる被害が年々増加しています。狩猟によるイノシシの捕獲頭数は、香川県下で、2007年以降、ここ数年、有害鳥獣駆除数・一般狩猟頭数合わせて年間3,000頭以上です。 高松市でもイノシシの被害が報告されています。被害の発生場所は、南部の中山間地域を中心に、東の牟礼町及び庵治町から西は国分寺町までにわたっています。さらには、三谷町の日山ハイキングコースにもイノシシがあらわれています。駆除許可による捕獲頭数は、2007年の68頭から、2008年度には82頭とふえています。さぬき市では、2007年12月、イノシシが交通事故で死亡しました。 このように、現在、イノシシ被害は、捕獲中心で解決できないところまできています。駆除や侵入さくのみに頼る対策ではなく、地域ぐるみの農地や集落周辺の環境を整えることの必要性が明らかになってきました。庵治町の原内では、集落ぐるみの取り組みで、農業共済の調べでも水稲被害面積が減少しています。地域ぐるみのイノシシ対策は、第1に、イノシシの生態を知る、第2に、イノシシを寄せつけない環境づくり、第3に、侵入防止さくの設置です。この対策がバランスよく行われているところでは、効果が発揮されています。 さて、高松市の有害鳥獣被害対策事業費は、2009年度──今年度283万1,000円が、2010年度は473万9,000円と増額され、新規に箱ワナ、殺処分箱設置事業、また、香川町天神地区など5カ所での鳥獣ストップゾーン整備事業──山と農地の境目に緩衝地帯を設けるなどの事業も盛り込まれ、拡充されています。 ところで、塩江町では、合併後の5年間の経過措置として、イノシシ等による農作物被害防除のための防護さく整備費用への助成──被害防除事業補助金は、1件当たりの上限額は10万円です。今年度から、塩江町以外の全地域で、農協で防護さくの資材を購入した場合、市の補助金と農協の助成を合わせて2分の1が助成される制度ができました。そのため、農協を通さずに防護さくを設置した場合には補助金が受けられません。農協を通さずに防護さくを設置した農家から、何とかしてほしいとの要望も出されました。 そこでお尋ねします。 第1点、イノシシ被害がふえています。塩江町でのイノシシ対策の助成を、2010年度以降も、さらに継続すべきであると考えます。 第2点、塩江町以外の全市域で、塩江町と同じ助成制度に改善をすべきであると考えます。また、新年度は40件の予算枠ですが、防護さくの設置要望があれば、予算を追加補正すべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 さて、昨年の12月定例会の答弁で、イノシシの生息状況の基礎調査について、香川県イノシシ適正管理計画に基づき、毎年度、県において、高松市も含め、各地域の生息分布を作成しており、高松市の調査は考えていないが、この生息分布データを活用し、効果的な被害防止に取り組みたいとのことでした。しかし、これまで、イノシシ被害や生息分布について、詳しいデータは公表されていません。 岡山県倉敷市は、失業者18人を鳥獣被害調査員として緊急雇用し、本格的な鳥獣対策に乗り出しました。農家への被害調査や、おりの見回り、耕作放棄地などの調査で、モモなど全国有数の特産品を抱える市内農業をイノシシの被害から守っていく。緊急雇用された調査員は、久しぶりの仕事は充実している、農家の力になればと意欲を見せています。被害の実態を知った調査員は、深刻な状況に、何とかしたいと思いを募らせています。倉敷市によると、事業費の予算は1,280万円で、市は、イノシシの繁殖が深刻化している、駆除の補助と環境整備に力を入れたいとしています。 そこでお尋ねします。 高松市として、緊急雇用創出基金などを積極的に活用し、イノシシ被害など鳥獣被害の実態調査を行うべきであると考えます。御所見をお聞かせください。 以上で私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございます。 ○議長(大橋光政君) ただいまの47番議員の代表質問に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 47番多田議員の代表質問にお答え申し上げます。 まず、政治姿勢のうち、富を大企業がひとり占めするシステムを改める考えについてであります。 企業の内部留保は、健全で持続的な経営や雇用の安定のほか、取引企業との関係維持など幅広く活用されるものであり、それを、どの程度計上するかにつきましては、民間企業の経営判断によるものでございますことから、一概に論ずることは適切でないものと存じます。 次に、アオイ電子株式会社が内部留保を蓄えておりながら人員整理を行ったこと及び、その企業に企業誘致条例に基づく助成を行うことについてであります。 百年に一度と言われております世界的な経済不況のもと、企業が、存続をかけて経営判断してきた個別事案について、その是非を評価することや、企業誘致の助成に当たって、条例上、要件とはされていない事実を審査要件とすることは適切でないものと存じます。 今回のアオイ電子株式会社の事業拡大に伴う新工場整備や新規の雇用は、地域経済の活性化に大きな効果が見込まれますことから、本市といたしましては、条例に基づき支援するものでございます。 次に、雇用奨励では、新規常用雇用とあるが、正規社員として雇用するよう要請するべきについてであります。 企業は、その事業内容に応じて柔軟な雇用形態を決定するもので、条例では、安定した雇用及び多くの雇用者数を確保することを目的として新規常用雇用を要件としたもので、必ずしも正規雇用を要件としておりませんことから、要請をすることは考えておりません。 なお、このたびのアオイ電子株式会社の新工場整備に伴う雇用については、すべて正規雇用を予定していると伺っております。 次に、労働者派遣法の改正に当たって、真に実効あるものとするよう国に求める考えについてであります。 昨年4月、国に対し、全国市長会を通じて、雇用の安定のための法制度の整備などについて申し入れをしております。 なお、今国会で、同法改正案の審議が予定されておりますことから、その動向を注視してまいりたいと存じます。 次に、平成22年度の予算を、市民の暮らしや福祉、中小企業支援、教育を充実させる内容に切りかえる考えについてであります。 22年度の予算編成に当たりましては、厳しい財政状況の中、従来、重視してきた環境・コミュニティー・教育のほか、子供・芸術文化・健康の各分野における施策の、さらなる充実を図るなど、市民の暮らしや福祉などの向上などに十分意を用いたところでございまして、今後とも、市民が安心して暮らせるまちづくりに留意した予算編成に努めてまいりたいと存じます。 次に、公契約で働く労働者に、人間らしい労働条件を確保することが大切だという考えについてであります。 公契約の場合のみならず、労働条件は、労働基準法に定められているとおり、「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と存じます。 次に、国に対し、ILO第94号条約の批准及び公契約法の制定について要請する考えについてであります。 これらにつきましては、今国会におきまして、さまざまな議論がなされておりますことから、今後、国において適切な対応がなされるものと存じます。 次に、公務労働での雇用問題のうち、公共サービス基本法第11条の受けとめについてであります。 公共サービス基本法第11条は、安全かつ良質な公共サービスが提供されるために、必要な公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備に関して、国及び地方公共団体の努力義務を規定しているものであり、当然のことを規定しているものと受けとめております。 また、どのような施策を実施するかについてであります。 公共サービスを提供していく上で、過重な労働を防ぐための時間外勤務の縮減や、非常勤嘱託職員の勤務条件の改善などに努めてまいりたいと存じます。 次に、正規職員を増員し、非正規雇用労働者を正規職員へ任用がえする考えについてであります。 本市では、総人件費抑制等の観点から、職員数の適正化計画に基づき、市民サービスの低下を来さないよう配慮しながら、正規職員の適正配置に努めているところでございます。 このため、増員は考えておらず、非正規職員の正規職員への任用がえは困難かと存じますが、保育士につきましては、平成20年度から、別途、経験者枠の採用を実施しており、保育所の非常勤嘱託職員の受験機会も設けているところでございます。 次に、任期の定めのない短時間一般職公務員制度を取り入れる考えについてであります。 本市では、非常勤嘱託職員に関しての要綱に基づき、任期を設けた上で、短時間の勤務につく非常勤嘱託職員を任用しており、今後におきましても、現行の地方公務員法の範囲内で非常勤嘱託職員制度を活用してまいりたいと存じます。 次に、第5次行財政改革計画のうち、適正化人員と、その根拠についてであります。 適正な人員につきましては、市として行わなければならない事務事業のうち、正規職員が担うべき業務を処理するために必要な人員と考えておりまして、職員数の適正化計画において、23年度で3,694人を予定いたしております。 次に、職員削減による住民サービスの影響についてであります。 職員数の適正化につきましては、市民への影響も考慮した業務の総点検に基づき、施設の民営化を初め、業務の委託化、非常勤嘱託職員等の活用、事務事業の見直しなどの改善を図りながら行うものでございまして、適切な市民サービスの実施は可能であるものと存じております。 次に、市民サービスの充実、地域産業の振興などによる雇用と財源確保についてであります。 職員数の適正化に当たっての事務事業の見直しは、適切な市民サービス提供のための正規職員や非常勤嘱託職員の雇用とあわせ、民営化や民間への業務委託等により、民間分野での雇用の拡大や地域産業の振興にも寄与することから、ひいては税源の涵養による財源の確保にもつながるものと存じております。 次に、水問題のうち、高松水環境会議の提言の受けとめについてであります。 高松水環境会議は、一昨年2月に設置以来、8回の会議を開催し、この間、公募市民等で構成されたワーキンググループの活動報告や京都大学からの調査研究報告などを踏まえながら、幅広い議論を経て、先月8日に提言を取りまとめたところでございます。 その内容は、委員からの意見をもとに、本市の水源となる、あらゆる河川の流域を視野に入れた多様な主体によるネットワークを目指した総合水循環システム構築の必要性と、そのために必要な六つの重点取り組み事項など、本市が今後取り組むべき施策や方向性についての貴重な提言であるものと存じております。 また、約2年間にわたり、水環境会議やワーキンググループに公募市民の参画もいただき、水にかかわる、さまざまな関係者とともに議論をいただいたこと自体が、今後の本市の水環境を市民一人一人が主体的に考えていく上からも、まことに有意義なものであったと存じているところでございます。 次に、水環境条例の制定についてであります。 新たな条例につきましては、これまでの本市の水環境の議論や方向性の集大成として、基本理念や水に関する施策を盛り込むとともに、水を通じたまちづくりを、市民・事業者・行政が互いに連携・協働して行うことができるよう、来年度中に制定してまいりたいと存じます。 また、検証するための組織についてであります。 新たに制定する条例には、公募市民も含めた水にかかわる、さまざまな関係者で構成する協議会的組織を設置し、本市の水環境行政について、幅広く御協議いただくことを想定いたしております。 次に、水利ネットワークの構築についてであります。 このたびの提言では、本市の水利用や管理を効率的に行うためには、流域全体を見据えて考えていくことが必要であり、まずは、農業用水・上水道用水・工業用水として利用している香川用水の水資源ストックを、いかに公正に配分するかが重要とされております。 このためには、現行の法制度上の制約や水融通に対する各利水者の意識など多くの課題もございますが、信頼と協力というキーワードのもと、各用水の水利用実態を、利水者それぞれが、お互いに理解し合い、各用水間の水融通などに関するルールづくりに向けて協議できるような場づくりについて、今後、国や県に働きかけてまいりたいと存じます。 次に、香東川浄化センターに下水処理水再利用設備を整備する考えについてであります。 本市では、これまで、東部下水処理場などにおいて下水処理水再利用施設の整備を行い、大規模建築物が集中するサンポート高松や中心市街地などで再生水管の整備を積極的に進めているところであり、現在、59施設に再生水を供給いたしております。 今後におきましても、引き続き、中心市街地での再生水管の整備を進めるとともに、さらなる利用区域の拡大を検討しているところでございます。 このような中、水環境会議から御提言にございます、香東川浄化センターでの下水処理水再利用設備の整備は、市の西部地域において再生水の有効利用が図られますことから意義あるものと存じますが、同センターは、現在、県が管理している施設であり、本市が整備することには種々課題がございますことから、まずは、中心市街地における再生水の利用拡大に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、下水道使用料の値上げを見送るべきについてであります。 下水道使用料につきましては、これまでも、財政収支計画の実績を踏まえ、3年ごとに新たな計画を策定し、見直しを行っているところでございます。 平成19年度からの現計画においては、公共下水道事業経営健全化計画に基づき、繰り上げ償還による市債の低利借りかえや運転管理業務の長期継続契約による包括的民間委託などにより、約8億6,000万円の経費節減を図ったところでございます。 しかしながら、こうした現計画を踏まえて策定した来年度から3年間の新たな計画においては、使用料を現行単価で据え置きますと、約34億円の収支不足が生じる見込みとなり、下水道事業の健全な経営を図ることが不可能となるものと存じます。 一方、本市の使用料の水準は、現在、県内では最低であり、全国的にも相当低位であることや、3年前の見直し時には、合併直後でもあり改定を見送っていること、また、御提案の、使用料でなく、一般会計からの繰入金により賄うことは、下水道サービスを受けない市民にも負担していただくことにもなりますことから、これらを総合的に勘案し、このたび、使用料の改定を提案したものでございます。 なお、改定に当たりましては、現下の厳しい社会経済情勢を踏まえ、世代間の負担の公平化の観点から、元利償還金を、将来の使用料で賄うこととなる資本費平準化債を最大限活用することなどにより負担の軽減を図ることといたしております。 次に、塩江町地域のまちづくりのうち、林業振興などで資源循環型を目指すまちづくりを進めることについてであります。 塩江町地域の森林は、本市の水源の涵養、災害の防止、環境の保全など多面的機能を有しており、先人から引き継いだ貴重な財産であり、市民の憩いの場としても重要な本市の地域資源であると存じております。 現在、塩江町地域では、県の森林整備加速化・林業再生基金や緊急雇用創出基金を有効活用し、荒廃竹林の伐採や森林の間伐に、鋭意、取り組むとともに、植林・保育・木材生産といった森林資源循環と、山村地域の経済と社会を支える林業振興に努めているところでございます。 今後、これらの事業により産出された竹や木材を、炭焼きなどを行うコミュニティービジネスへ供給するほか、間伐材を土木資材として活用することなどにより、塩江町地域の特性を生かした資源循環型のまちづくりを、より一層進めてまいりたいと存じます。 次に、多様な自然エネルギーを活用し、エネルギー自給率100%を目標にしたまちづくりについてであります。 温室効果ガスの排出が少なく、環境への負荷の小さい太陽光や風力・水力などの自然エネルギーの活用は、地球温暖化対策の有効な手段として、また、エネルギーの安定的・多面的確保の視点からも重要な課題と存じております。 本市でも、これまで、温暖少雨で日照時間が長いという地域特性を生かし、市有施設への太陽光発電システムの設置のほか、個人住宅や事業所に対する太陽光発電システムの設置費補助事業の実施など、太陽光エネルギーの積極的な活用などに取り組んできたところでございます。 塩江町地域は、本市の中でも、自然が豊かな地域ではありますが、エネルギー源となる風力や地熱などの活用は困難でございますので、今後、地球温暖化対策実行計画の策定にあわせ、塩江町を初めとした市域に潜在する多様な自然エネルギーの賦存状況や費用対効果を見きわめる中で、その活用の可能性を検討してまいりたいと存じます。 次に、四万十方式による林道整備を行う考えについてであります。 平成19年度に、塩江町において、県が四万十方式による林道の試験施工を行い、コストと安全性を検証しており、県の森林整備加速化・林業再生基金が活用できますことから、今後、間伐材を搬出する作業道の整備に、その方式を導入してまいりたいと存じます。 なお、その他の件につきましては、関係部長から答弁いたしますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(大橋光政君) 市民政策部長 岸本泰三君。 ◎市民政策部長(岸本泰三君) 47番多田議員の代表質問にお答え申し上げます。 塩江町地域のまちづくりのうち、過疎集落の現状についてでございますが、塩江町の過疎集落につきましては、平成18年4月以降、国の調査は実施されていないことから、塩江地域全体の状況で申し上げますと、21年4月1日現在では、3年前と比較して、人口は168人減少し、3,318人でございまして、65歳以上の人口割合は1.6%増加し、39.3%となっており、人口減少と高齢化が、さらに進んでいるところでございます。 また、過疎化に歯どめをかけるための抜本的対策についてでございますが、本市といたしましては、塩江町において、これまでも、高松市過疎地域自立促進計画に基づき、過疎地域の振興対策など、さまざまな取り組みを実施し、一定の成果を上げてきたものと存じております。 このような状況におきまして、現行の過疎地域自立促進特別措置法が今月末で失効となりますことから、現在、期限を6年間延長するなどの法律改正案が国会において審議されており、今年度中に成立すると仄聞いたしております。 このようなことから、今後、法律の改正を見きわめつつ、計画的な過疎対策の推進について適切に対応してまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(大橋光政君) 健康福祉部長 香西信行君。 ◎健康福祉部長(香西信行君) 47番多田議員の代表質問にお答え申し上げます。 平成22年度の予算編成のうち、生活保護制度が受けられるよう十分な予算措置を行うことについてでございますが、生活保護世帯数は、一昨年秋の世界金融危機以降、全国的に増加傾向にあり、本市におきましても、平成22年1月末現在で、対前年度比約10%増となっているところでございます。 こうした中、来年度予算につきましては、経済環境や雇用情勢が依然として厳しい状況にあり、保護世帯数の増加が見込まれますことから、対前年度比約10%増の105億円余の必要な予算措置を今議会にお願いいたしております。 今後とも、さまざまな事情のある要保護者に対し、相手の心情や立場に十分配慮しながら、公正・公平な判断のもと、適正な保護の実施に努めてまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(大橋光政君) 産業経済部長 冨田 繁君。 ◎産業経済部長(冨田繁君) 47番多田議員の代表質問にお答え申し上げます。 政治姿勢のうち、アオイ電子株式会社の人員削減の具体的内容でございますが、高松工場における人員削減数は63人であり、内訳といたしましては、正社員が12人、派遣社員が51人と伺っております。 次に、今回のアオイ電子株式会社への助成内容でございますが、申請時の計画により算定いたしますと、立地奨励として、投下資本額の5%相当分の助成で約1億4,700万円、雇用奨励として、新規常用雇用者70人に対する助成で約2,300万円、合計で約1億7,000万円でございます。 次に、水問題のうち、土地改良区・地域住民に働きかけて、市街地周辺の、ため池の保全管理に早急な対策を講ずる考えについてでございますが、これまで、周辺住民による自主的な美化活動や、ため池に親しむイベントなどを実施している地域もございますことから、まずは、こうした地域に働きかけ、地域ぐるみでの、ため池の環境保全活動をモデル的に実施してまいりたいと存じます。さらに、その活動事例を他の地域へ紹介するなど、共助の視点に立った参加意識の醸成を図り、実施箇所の拡大に努め、水利組合等と共同した、ため池の環境保全に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、本市・土地改良区など用水間で野田池の水の有効利用について検討する考えについてでございますが、野田池周辺は、近年の急速な宅地化に伴い、農業用水への利用は減少しておりますが、その有効利用につきましては、水利権の問題や水質及び地理的条件などもございますことから、今後の研究課題としてまいりたいと存じます。 次に、イノシシ被害対策のうち、塩江町でのイノシシ対策助成を、2010年以降も継続するとともに、塩江町以外の全市域でも、この制度を適用する考えについてでございますが、本市では、イノシシ対策として、本年度から、JAの制度を活用し、市内全域を対象とした新たな助成制度を実施しているところでございます。現状は、設置費が10万円以下の利用が多く、その場合、新しい制度でも、助成額は、塩江町の制度と同額でありますことから、塩江町の制度の継続及び他の地域への適用は考えておりませんが、今後、全市に拡大した統一的な制度の一層の周知に努めるとともに、集落単位での説明会を開催し、捕獲・防護のほか、イノシシが近づかない環境づくりなど、総合的なイノシシの被害防止対策に取り組んでまいりたいと存じます。 また、防護さくの設置要望があれば、追加補正予算措置を行う考えについてでございますが、防護さくの設置につきましては、これまでも、農家の申請どおり事業を実施してきており、今後とも、制度の利用状況に応じ、適切に対応してまいりたいと存じます。 次に、緊急雇用創出基金などを活用して、鳥獣被害の実態調査を行う考えについてでございますが、鳥獣被害対策の基礎データとなる被害の実態把握につきましては、地域の農業共済組合の損害評価員による現地での実態調査により把握しておりますことから、さらなる調査は考えておりませんが、今後とも、このデータのほか、県の生息分布図も有効活用し、効果的な被害防止に取り組んでまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。
    ○議長(大橋光政君) 教育部長 松木健吉君。 ◎教育部長(松木健吉君) 47番多田議員の代表質問にお答え申し上げます。 平成22年度の予算編成のうち、小中学校就学援助制度が、低所得世帯の実態に沿うよう十分な予算措置を行う考えでございますが、就学援助制度は、学校教育法に基づき、子供を小中学校に就学させることが経済的に困難な保護者に対して、市町村が実施主体となって、学用品費や学校給食費等を援助するものでございます。 就学援助の一環として、小学校に入学する準要保護の児童で、算数セットを購入した者には限度額2,300円を、また、中学校に入学する生徒で、英和辞典等を購入した者には限度額1,900円を、新入学児童生徒学用品費として支給してまいりましたが、別途、新入学児童には1万9,900円、生徒には2万2,900円の新入学児童生徒学用品費等を支給していることや、他の中核市には支給事例がないことなどから、新入学児童生徒学用品費の支給を廃止することとしたものでございます。 その一方、ほとんどの小学校で集団宿泊学習が実施されている状況から、市単独事業として、新たに小学校の集団宿泊学習費の支給を行うとともに、中学校の集団宿泊学習費の支給限度額を引き上げることとしたものでございます。 来年度の就学援助の予算につきましては、対前年度比約3.6%増、3億8,600万円余の必要な予算措置を今議会にお願いしているところでございまして、今後とも、就学援助の充実に努めてまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(大橋光政君) 以上で当局の答弁は終わりました。 再質問はありませんか。 ◆47番(多田久幸君) 議長──47番。 ○議長(大橋光政君) 47番 多田久幸君。  〔47番(多田久幸君)登壇〕 ◆47番(多田久幸君) 1点だけ再質問をさせていただきたいと思います。 政治姿勢のうち、現在の日本経済は、国民がつくった富を、大企業のみがひとり占めする仕組みになっている。この仕組みを変える必要があるという質問でありましたけれども、市長は、内部留保については、企業が自主的に判断して、それを使う、そういうことを答弁されましたけど、私は、大企業に、そういう内部留保がたくさん蓄積される、そういう仕組みを変える必要があるという質問でありました。 この問題については、共産党も、国会で質問をして、鳩山首相も、この問題について、転換させる必要があるという趣旨の答弁をされております。再度、お答えをお願いしたいと思います。 ○議長(大橋光政君) ただいまの47番議員の再質問に対する当局の答弁を求めます。市長 大西秀人君。  〔市長(大西秀人君)登壇〕 ◎市長(大西秀人君) 47番多田議員の再質問にお答え申し上げます。 政治姿勢のうち、富を大企業がひとり占めするシステムを改める考えについてでございますが、御質問の仕組みが、どのレベルの制度を指しているのか定かではございませんが、先ほども申し上げましたように、御指摘のあった企業の内部留保などにつきましては、それを、どの程度計上するかについては、民間企業の経営判断によるものでもございますことから、一概に論ずることは適切ではないものと考えております。 ○議長(大橋光政君) 以上で当局の答弁は終わりました。 これにて代表質問を終わります。 お諮りいたします。 本日の会議は、これで延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(大橋光政君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議は、これで延会することに決定いたしました。 なお、明3月11日の継続市議会は、午前10時に会議を開きます。 本日は、これにて延会いたします。      午後2時22分 延会  ────────────────地方自治法第123条第2項による署名者         議      長         議      員         議      員...